苦戦
さて、どうしよう。
まぁ、俺がこういうときに考えてどうにかなった試しはないため、わかるであろう人に聞くのが1番か。
そう結論付ける。結論付けて、"わかる人"の所に話を持っていった。
「瑠璃、ちょっと良いか?」
夜、夕飯を終えて寝るまでの各々の時間。この時間なら瑠璃はゲームをしていた筈だ。
「何、お兄ちゃん?」
案の定、テレビゲームのコントローラーを片手に瑠璃が部屋から出てきた。
確かに俺は別にテレビは要らないけど、何故か瑠璃の部屋には有るんだよな、リビング用の大きいテレビが。
「ちょっとダンジョンで困った事が有ってさ。お前の知恵を貸してもらおうと思って」
「何か有ったの?」
俺は第4階層の事を瑠璃に話した。
「それはまた、なんというか、鬼畜だね。ゲームならクソゲーだしドMさんしか喜ばないと思うよ」
「というと?」
「たぶん第4階層ってモンスターハウスなんだと思う」
「モンスターハウス?」
「あーえっと、モンスターがほぼ際限無く出てくる部屋のこと、かな。たぶんそれだと思う」
うげ……。もし本当にそうなら大変なんてものじゃないぞ……。しかもそのモンスターが何処に居るかもわからんし。
「そんな嫌そうな表情しないでお兄ちゃん。気持ちはわかるけど。
モンスターハウスにはいくつかパターンが有って、1つ目がある一定数の敵を倒したらクリアのモンスターハウス。ただこれはゲーム脳な話だから、現実がどうかはわからない。
2つ目と3つ目が一定以上のダメージを敵もしくは自分が喰らうこと。これが1番ゲーム的発想だね。SさんやMさんは嬉しいパターンかな。私はごめんだけど。
4つ目が何処かにあるスポーンポイントを見つけてそれを壊すこと。これが1番現実的かな。
この4つに共通するのは必ず人が生き残る事でクリア出来る。だから一定時間生き残ればクリアになる可能性も有る。
っと、ざっとだけどこんな感じかな。どうお兄ちゃん?参考になった?」
「あぁ、取り敢えず痛い思いをしなきゃならないって事はわかった」
「今の説明でその感想って……、そんなに酷いの?」
「まず何処から狙われてるかわからないからな。ヘタしたらあの部屋全体が敵なのかもな」
「わーぉ、いくら強くなっても、私じゃ絶対無理な階層だね」
「いずれお前にも潜って欲しいけどな」
「私はSさんでもMさんでもないから嫌でーす!というわけでお兄ちゃんは、可愛い妹の為に頑張ってくださーい!」
「はいはい。ありがとう、色々試してみるよ」
俺は瑠璃に礼を言って、自室に戻った。
自室に戻り、ジャージに着替えて、リュックサックを背負って金属バット片手にダンジョンに潜る。勿論行き先は第4階層。さっき瑠璃に教えてもらった方法を1つずつ試す為だ。
まずは1番楽そうな一定時間生き残るのから試してみよう。
俺は第4階層へと降り立った。
そして部屋の中央辺りまで行ったところで、早速背中に衝撃が来た。後ろを振り返るとそこにはキャベツが有った。
今度は左から衝撃が来る。見ると今度はレタスだった。
そこからは初めてこの階層に来たときの焼き直し。とことん甚振られた。しかし今回は『生き残ること』を意識しているため、頭に来た物は避けるように頑張ってる。
そのまま体感10分。俺の方に限界が来て、今回も逃げ出す事となった。
第4階層、物凄く手強い。




