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浪人生、ダンジョンと歩む  作者: 荒木空
第1部~自室のダンジョン~
23/68

第3階層クリア


 感想で母親のキャラが原因で読後感が悪いという指摘をいくつか頂いております。

 ですのでここで少しだけ設定を公開します。



 まず家族の設定ですが、これは私が家族というものを必ず何かしら1つは問題を抱えてると捉えてる。という所から始まります。問題の無い家族なんてそれこそフィクションです。私はそう考えてます。

 そう考えた上で、主人公の家族が抱えてる問題というのが、母親と主人公の不仲です。高校までは仲は良好だったけど、大学受験を2度も落ちた事で母親に幻滅失望された主人公。そんな主人公を疎ましく思うエリート思考の母親。現実でも、少なくとも私はよく聞きます。

 本当は家族仲の不仲を持ってくるなら妹や父親でも良かったのですが、後にも書きますが、『仲直り』の話のようにその不仲との仲直りで主人公が立ち直るというのをやりたかったので、父親や妹では理由付けが弱いと思い、母親と不仲にしました。


 次に何故そんな設定を作品内に持ってきたかというと、これは現実と非現実のギャップを生むためです。

 ここでの現実というのはダンジョン外の家族との時間を指し、非現実とはダンジョンでの事を指します。

 ここでこの設定を持ってきた理由ですが、これは主人公がダンジョンの外に戻って来るための理由付けです。この作品の設定を練っていた当初、主人公も家族も可もなく不可もなく……二浪または中退してるので、本当に物語の「こういう家族が居ます」で終わるものでした。そうして練った時、ダンジョンにドンドンハマりのめり込んで行く主人公が、現実に戻ってくる理由が薄過ぎて「別に戻らなくても良いや」という思考になったのです。その結果それで話を進めると、風呂も入らず寝もせず24時間ずっとダンジョン内で過ごすキャラになりました。

 流石にそれは主人公としてどうなんだと思い、急遽帰る理由付けとして考えたのが家族との不仲の仲直り設定です。

 不仲をどんな形であれ乗り越え、仲直りすることで主人公に「俺は此処に居ても良いんだ」「俺の居場所はダンジョンじゃなくて家族(ここ)なんだ」と思わせる事で、ダンジョンに潜るのは生きてるための手段であり帰る場所ではないという差別化をしたかった為にこの設定を持ってきました。


 なので、母親との不仲については必要な物だと考えています。

 確かに母親のキャラは修正しても良いかと思いますが、今(2019/04/19時点)は続きを書くのに忙しいので、修正をするとすれば執筆が落ち着いてからになると思います。



 前書きで長々と失礼いたしました。




 6月17日。今日は第3階層のボス戦である。

 昨日の今日で階層攻略に乗り込むというのは、最初の頃から考えれば驚くほど早い攻略だ。何故これ程早く攻略出来るようになったかはこの際気にしないでおくが、我ながら早い気がする。


 閑話休題。さて、ボス戦である。

 今回のボスは、どうやら狼の群れらしい。1匹だけやけに大きい狼が居て、その取り巻きに4体居る感じだ。


 群れ、か……。いきなりハードルが上がったように思う。

 1つ前の部屋までなら数が居るだけの1対1を繰り返すだけだった。しかし群れとなると、ここに連携が加わってくる可能性が有る。

 俺はその連携に慣れてない。いきなりのボス戦でこれは厳しい。出来ることなら此処から1匹ずつ石でも投げて倒したいけど、生憎そんな都合の良い物は無い。有るのは近接装備だけ。


 久し振りに、腹、括るか……。

 今回のコンセプトは死なないように立ち回る、だな。


 決意をし、ジャージに【硬化】を掛けて、俺はボス狼がこっちを見ていないタイミングを見計らい駆け出した。

 まず1番最初に狙うのは、1番手前の狼。コイツをバットで殴って頭を潰す。

 嬉しい事に、この作戦は上手いこと行く。俺は狼の内の1匹の頭を潰す事に成功した。しかしラッキーパンチもここまで。仲間を殺られた事に気付いたボス狼は俺を睨みながら唸る。そして天に向かい一吠えすると、残る3匹が俺目掛けて突進してきた。

 3匹は俺を囲うように陣取ったあと、1匹ずつ突進してきた。しかし1度にではなく、1匹が突進すればその直後に別の狼が突進してくるというタイミングを微妙にずらしたものだ。


 まず俺は正面から来た狼の頭をバットで殴って潰す。バットは物の見事に狼に当たり、その頭を潰す。しかし続いて突進してきた狼2匹に反応出来ず、左腕と右足に咬み付かれてしまう。

 俺が2匹に拘束されたのを見ると、ボス狼は俺目掛けて駆け出して来る。

 視線の先は首元だった。何が狙いかわかった俺は、なんとか右腕を間に挟むことで難を逃れる。


 ギリギリとした音が3ヶ所から聞こえる。恐らくこのまま咬み千切ろうとしているのだろう。


 このまま膠着状態が続く。

 しかしこのままいても仕方がない。意を決し、まずは武器を持つ右腕を自由にするため動くことにする。

 右腕に咬み付いているボス狼を、空いた左足でボス狼の体を蹴る。離れるまで何度も何度も蹴る。

 嬉しい事に、3回ほどで拘束が解かれた。

 解かれたと同時に右足に咬み付いている狼の首にナイフを何度か突き刺して殺し、左腕に咬み付いている狼は腕を持ち上げ、腹から中身を引き摺り出す。流石に臓物を引き摺り出されれば死んだのと同じ扱いになるらしい。その場で左腕に咬み付いていた狼は黒く濁った石になった。


 これで自由になった。


 自由になった辺りで、復活してきたボス狼と向かい合う形になった。

 ボス狼は体を低くしながらグルルルと唸っている。その声は、怨みの籠った声にも聞こえる。人の言葉にするならこうかな。「よくもやってくれたな人間。絶対に殺す」。そう聞こえる気がする。

 しかしそんなこと知ったことではない。コッチだって命懸けてるんだ。それにダンジョンに居るんだし野生なんだから、殺される事も考えておけと言いたい。


 1対1になればあとは消化試合だ。次に咬み付いて来た時がお前の最後だ。


 そしてその時は訪れる。痺れを切らしたかのようにボス狼は俺へと向かってきて、再び俺の首元へとその牙を剥いてきた。

 それを俺は、避けながらすれ違い様に逆手に持ったナイフで体を撫でるように斬る。斬られたボス狼は血を噴き出し、よろけながらもまた向かってくる。


 何度そうしただろうか?狼は血だらけで、俺を中心に俺の周りも血だらけ。俺もボス狼の血で血だらけになっていた。

 最後の力を振り絞ったかのようにボス狼が俺へ向かって駆けてくる。しかしそのスピードはとても遅く、先程までのスピードは見る影も無かった。

 俺はすれ違い様に後ろへと回り、ナイフを逆手に両手で持って、大きく振りかぶる。そしてボス狼へと深く突き刺してやった。


 ドバドバと何かが流れる音が、静寂の中に木霊する。

 ゆっくりとナイフを引き抜くと、ボス狼はゆっくりと横に倒れ、数拍おいたあと、少し黒く濁った石へと姿を変えた。


 なんとも虚しい気分だ……。


 こうして俺は、第3階層をクリアしたのであった。



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― 新着の感想 ―
[一言] そういう設定なんだから嫌なら読むな、でいいと思います。 そこで読者の言う通り変更してしまったらあなたの作品じゃなくなりますから。
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