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浪人生、ダンジョンと歩む  作者: 荒木空
第1部~自室のダンジョン~
21/68

第3階層


 さて、第3階層攻略である。

 今回は第2階層での練習はしない事にした。肉だらけになっちゃうし、そんな一杯は処理出来ないだろうと考えてだ。

 今のところもぐらの爪の用途もわかってない。だからこれ以上は処理のしようが無くて、どうしようもなかった。


 そしてやって来た第3階層。第3階層の待機室はこれまでと同じ洞窟のような場所の待機室だった。しかしそこから覗ける通路の先の景色は、これまで景色とは一変していた。

 空が青い。草が生えている。極めつけは眩しい。第3階層は草原のような場所だった。

 見れば、俺の胸辺りまでの高さがある草が大量に生えてる中、人1人が通るには十分な広さの、草が生えてない場所がある。恐らくアレがこれまででいう『道』の役割をしているんだろう。


 いつまでも観察してても始まらない。


 俺は通路を進み出した。


 いくらか進むと、広い胸辺りまでの高さがある草が広い範囲で生えてない場所に辿り着く。恐らくここがこれまででいう部屋なのだろう。

 中には大型犬のようなヤツが居る。ただ犬より凛々しい顔をしているから、恐らく狼だろう。狼が1匹居る。


 「なんで1匹なんだ?」


 疑問が浮かぶ。しかし1匹なのは俺にとって好都合だった。

 ジャージに【硬化】を掛けて、これまでの常套手段。走って近付いて首に一太刀を実行することにする。


 俺は金属バットを【変化】でナイフに変えて逆手に持ち、狼に走って近付く。

 今回は狼が横を向いてた時に走り出したから、奇襲にはならず、狼も俺に気付いて唸ってきた。


 構うもんか。


 俺は一気に走る速度を上げて、狼に飛び付いた。

 しかし狼は見事にヒラリと躱し、グルルと唸っている。狼は、俺が飛び付きが失敗し、着地するかどうかの時、牙を剥いて俺に噛み付こうとしてきた。

 それを俺は、咄嗟にナイフを金属バットに戻して、それを盾にするような横に構えた。するとちょうどそのバットに狼が噛み付き、噛み砕こうとしているのかバットからギリギリという音が聞こえる。


 「このっ!」


 「キャウン」


 狼からの拘束を、狼の腹を蹴ることでなんとか脱出する。狼がバットを離したことで、俺達は1度互いに距離を取った。


 「危ねぇなぁ…」


 バットを見ると、うっすらとだが歯形の痕のような物があった。もし腕とか足に噛み付かれてたらと思うとゾッとする。


 狼も狼で俺に蹴られたのが効いてるのか、不用意に近付いて来ようとしない。


 しかし俺達は互いの攻撃方法は近寄る事でしか出来ないものだった。

 そうなると、次にどう動くかは自明の理だろう。


 先に動いたのは狼の方だった。狼は大きく後ろへ跳ぶと着地と同時に俺目掛けて走ってきた。対する俺は、今度こそ【変化】させたナイフを構え、狼の動きを見る。

 狼は再び口を大きく開け、俺へと飛び掛かってきた。俺はそれを、左腕にわざと噛ませようと、【硬化】させた左腕を前に出し受け止める。


 腕から金属と金属が互いに削り合うような音が聞こえる。


 俺はその隙に狼の首にナイフを突き刺す。


 「グルゥ」


 狼が大きく唸る。しかし俺の腕は離さないようなので、ナイフを抜いて、今度は違う角度から首にナイフを突き刺した。


 すると、当たり処が良かったのか、左腕を噛む力弱まり、いつの間にかその姿は消えて黒く濁った石だけを残した。


 こうして俺は、無傷とはいえ苦戦した第3階層デビューを終えたのである。



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