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浪人生、ダンジョンと歩む  作者: 荒木空
第1部~自室のダンジョン~
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考察


 なんとも嫌な感覚が手と脳裏に残っている。

 生命の命を絶つというのは、これ程気持ちの悪いものなのだろうか?

 疑問は浮かび、しかし答えるものが居ないためすぐに宙へと消える。


 翌日の6月6日は2階層には下りず、1階層で【硬化】の練習をしながら過ごした。スライムはまだ非現実的な相手で、生物という感覚が無かったから苦に思わず殺すことが出来た。

 手応えでいえば、俺はもう、第1階層では物足りない。一部屋の殲滅に正直5分も掛からない。しかし2階層に下りる気は無かった。


 だから今日は1日、スライムを倒しながらダンジョンについて考える事にした。

 ダンジョンとは俺の誕生日の日に世界規模の大地震で生まれたファンタジーの代物だ。そのダンジョンは神のような存在からの試練であり富と死が混在したもの、らしい。


 じゃあ、試練とはなんだ?俺達は何を試されてる?それに何故このタイミングでそんな物が発生した?

 俺が又聞きしたアナウンス?の言葉が一語一句そのままなら、資源の宝庫と言っていたし、現在のエネルギー問題とかの解決になるのだろう。


 そこまで考えて、俺は思い至った。生物を殺すことを自覚するのも試練じゃないかと。


 そう考えれば色々な謎が解けた気がする。

 ダンジョンとは人1人ずつに課せられた試練じゃないかと考えることが出来る。

 実際、ダンジョンに潜ることで、俺は母さんとの不仲を形はどうあれ仲直り出来たように思う。それはダンジョンが大きく関わっている。

 俺の体についてもそうだ。俺の体は日々ダンジョンを潜ることで勝手に鍛えられている。今日の朝見たらシックスパックが若干エイトパックになり掛けてた。それもダンジョンに潜らなければ手に出来ていなかった。


 つまりダンジョンは神からの試練だった?


 いや、試練とは言われていたからそれは今更だ。

 ただそうなると、実はダンジョンは人1人が抱えてる問題の数だけ数が有るんじゃないだろうか?そう思えてならない。

 報告されてないだけで、実は発見されているダンジョン以外にもダンジョンがあるのかもしれない。俺ん家のように。


 そう考えると、ダンジョンに潜れば潜るほど、人は洗練されていくように思う。完璧に近付けると思う。

 完璧主義の俺には、完璧な人間になるというのは1つの目標だった。




 その後も俺は、ダンジョンの事とか自分の目標なんかについてあれやこれや、ご飯を食べることを忘れてスライムと戦いながら考えた。


 そうして、俺が行き着く先が見えた気がして、いつの間にか手に残る感触は、むしろ試練として受け入れていた。




 あくまで主人公の見解であり、一部妄想(の可能性があります)です。

 主人公は精神的に参っておかしな方向に(今は)進んでいます。時間が経てば戻りますのでご安心ください。




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