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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

有象無象の戯言

誰かの終わり

作者: はじめうじ

何もかもが嫌になるって事、ありますか?

これはそんな誰かの物語。

いつもの街、いつもの景色、いつもの香り、いつもの習慣……。そんなものにそろそろ飽きてきた。

何もやる気がしない。別段やりたい事も無い。でもとにかくこの暇というものが恨めしくて仕方がない。

ああ、もうこんな時間だ。

どんなに無気力であろうと腹が減るのが生き物で、憎くも僕は生きている。財布に千円札を入れ、ワンルームの狭い家を出た。よく晴れた空も生まれてから何度見たんだろう。適当にコンビニで弁当を買って帰ってきた。今日はバイトも入ってない。無気力な僕は、誰かに言われた事をやってるぐらいが一番幸せなのかもしれない。今日一日、一体僕は何をして生きれば良いのだろう。そもそもなんでここまでして生きてるんだ。社会っていう緩い鎖に囲まれた生活は、僕にはとても生きづらい。

もう、いいかな……。

僕は、台所の一角に目をやった。



初々しい春の陽気が、差し込む部屋で、僕は立ち尽くしていた。今、この狭いワンルームの部屋のド真ん中に、うずくまって倒れている死体がある。その死体はドス黒い血溜まりの上に浮いていた。右手にはナイフが握られている。

僕はそんな死体をどうするかを考えている。

近くの川に捨てに行くか。それとも何処かに埋めるか。バラして棄てるか。もういっその事このアパートごと焼いてしまおうか。まぁ、そう言っても僕はこの部屋から出れないのだけれど……。さっきから部屋のドアがビクともしない。窓も開かないし、窓ガラスには、針金が入っていて、割れそうにない。

やっぱり、焼いた方が早いんだろうか。

そもそもなんで僕がこの死体を処理しなきゃいけないのか。僕には関係の無い話のハズなのに。まぁ、僕が殺したんだから、自分で処理をしろってことか……。と言ってもどうしたらいいのかわからない。外に出れないんじゃ何処かに棄てる事も出来ないし。

一日でどうにもならない程腐敗するっていうのはないだろうが、やはり死体と同じ空間にいるというのは嫌だな。僕は部屋を見渡した。スッキリ片付いた綺麗な部屋だ。死体があるという事を除けば、一人暮らしを充分に満喫できるだろう。冷蔵庫の中には、ほとんど何も無い。野菜の端っことかが転がっているばかりだ。

死体以外何にもねぇ部屋だなぁ……。

僕はまた、死体の前に来て、今度は座りこんだ。血溜まりはもうすっかり乾いていた。あと何日、此処にいればいいんだろう。ふと、そんな疑問が頭をよぎる。このまま、ドアが開かなかったら、朽ち果てる死体をただ眺めている事しか出来ないのか。僕は小さなテレビの方を見た。テレビの置いてある台の下に、何かがある。僕はそれに手を伸ばした。

アルバムか?

表紙をめくると、両親に抱えられ、笑っている子供の写真があった。ページをめくるに連れて、その子供は成長していく。ただ、無言で、ゆっくりとページをめくる。そして、アルバムは途中で写真が無くなっていた。

ああ、そうか。アルバムは終わったんだ。僕が終わらせたんだ。

そっとアルバムを閉じて、死体の血溜まりの中に置いた。

もう……時間かな。

何があったかなんで野暮ったい話は無くていい。ただ、疲れただけだったんだ。僕達には未来があると言う人がいる。ああ、確かにあるだろう。でも、それはきっと僕の欲しい未来じゃない。そんな未来は要らない。だから僕は別の未来を選んだ。この答えが正解かなんて知らない。多くの人は間違いだと言うだろう。だったら励ましなんて要らない。僕はどうしたらいいのか。

その答えを知りたかったんだ。

どうも皆さんこんにちは。

はじめうじと申します。

なんかもうよくわからない暗い話を書いてみました。少しでも、楽しんで頂ければ幸いです。

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