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薬屋・リコリス  作者: 瓶覗
9章・前線へ
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0,茶会以外の

 アオイはその日、出店リコリスに乗っていた。

 今日向かうのはイピリア。この前お茶会をしたばかりだが、今日もカーネリアに呼ばれていた。

 お茶会にしては期間が短すぎる、と思いつつ手紙を開き、その内容から茶会ではないことを悟った。


 急ぎのようだったので、普段は重い腰を軽く上げてイピリアに向かっている。

 コガネは王城内に連れて行くので、今日の店番はウラハだ。

 何かあったらトマリも来る、と言うが、まあ別に危険にさらされることはないだろう。


「何の用事かは書かれてなかったんだよね?」

「うん。話は来てから、って」

「内密なことなのかしらね」

「うーん……あんまり、そういう話はされないからなぁ」


 カーネリアは基本、アオイを友人として扱う。

 なので、あまり政治的な、カーネリアの仕事的な話は聞かない。

 聞くのは、面倒な仕事の愚痴くらいである。


 一体何の用事なんだろう、と話しているうちにイピリアに入り、アオイとコガネは出店リコリスから降りた。

 今日、コガネは少女の姿を取っている。

 コガネの警戒度が低いので、まあ大丈夫だろうとアオイは緩く考えている。


 緩い会話をしながら王城を目指し、門番に顔を見せて中に入る。

 城内に入ってすぐにカーネリアの側近が迎えに来てくれたので、いつも通りついて行く。

 カーネリアはいつもと同じで、花園の中心に腰かけていた。


「カーネリア様ー」

「ん、来たか」

「来ましたよー」


 手招きされて側によると、いつものようにお茶が用意される。

 ここまでは、いつものお茶会だ。

 違うのは会話の内容と、カーネリアの気だるげな表情である。


 カーネリアがこの表情をしている時は、仕事の時である。

 それも、普段から面倒だとぼやいている外交系の。


「で、どうされたんですか?」

「第2大陸のモルモーは知っているな?」

「はい。行ったこともありますよ」


 端的に尋ねると、問で返されてしまった。

 お茶を飲みながら答えれば、カーネリアはため息を吐いてから続きを話し始める。


「この国とモルモーは今、強い繋がりがある」

「繋がり、ですか」

「ああ。王族同士の血の繋がりだ」


 それを聞いて、アオイは一回首を傾げた。

 そして、すぐに納得の声を上げる。

 イピリアの王家は、カーネリアの代はカーネリアしかいない。


 なので、カーネリアは女王となり、次の王位継承者を産む必要があった。

 その相手が、モルモーの王族だったのだろう。

 あまり話には出てこないし、アオイでも数回しか会ったことのない、血を繋ぐためだけの王族である。

 初めてそれを知った時は、少し同情したりした。


「最近モルモーと魔物の戦いが激しさを増している」

「あれ?モルモーって、そんなに襲われる国でしたっけ?」

「最近、だ。原因は分からないが、襲撃を受けるようになった」


 おそらく、ここからが本題だ。

 カーネリアは気だるげな表情のまま、アオイは少し姿勢を正した。


「そもそもモルモーは平和な国だ。戦闘に慣れている者は少なく、被害が出ている。……そして、薬師は足りていない」

「……あー……」


 アオイは、何となく話の内容を把握し始めた。

 カーネリアが気だるげで、ついでに申し訳なさそうな理由も理解した。


「……向こうの王家が、私とアオイの関係を知っていたらしい」

「何か怪しい言い方ですね」

「何がだ?」

「いえなんでも」


 女王と軽い会話をしながらアオイは頭の中を整理する。

 そして、そんなアオイの脳内を肯定する言葉をカーネリアは発した。


「すまん、前線に赴き、救護を行ってくれないか?」

今回は珍しくあんまり期間が開きませんでした。

そんなわけで、9章です。いつもとは少し雰囲気が違うかも……


ブクマ等々、本当にありがとうございます!それのおかげで頑張れる……

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