非連続的な連続
地上デジタル放送に完全に移行してから幾星霜。今となっては意識することもなく私たちの生活に馴染んでいる。
そもそものデジタルという言葉の意味として、連続的な物を切り取り、それを記号として表すことが挙げられる。しかし、今となってはデジタルは新しいものの代名詞のように使われている。
なんとなくではあるが、アナログよりデジタルのほうが滑らかな印象を受けるのはそのためであろう。だが、そこでデジタルの元々の意味を思い出して欲しい。
私たちの住むこの世界はアナログ的な連続性の中にいる。デジタル的な非連続性を求めることも悪くはないが、少しで立ち止まってアナログな現実を味わうのも一興だ。