出会い
なんか1話目の題名がワンパターンでごめんなさい
「これで終わりか· · ·」
しかし長かった。まさか半年後までの仕事を一気に終わらすのに、ほぼ休憩無しで3週間もかかるとは。でも、これでようやく行くことができる。
「さぁ行くか· · ·下界に。」
その声は無限とも思える白い空間に響き、やがて消えるのだった。
今日もキツかった。でも今日は金曜、やっと2日の休みが待ってる。
「ん?」
そこでわたしは家の前になんかあることに気づく。
「え!?」
家の前にあったものそれは· · ·男性だった。
わたしは動揺しながらも声をかけた。
「あの· · ·大丈夫ですか?」
するとその人はゆっくりと目を覚ました。
「· · ·あっ、すいません· · ·大丈夫なので。」
そう言う、とその男性は立ち上がりわたしが通ってきた方へ歩き始めた。
わたしはその後ろ姿をボーっと見ていたが、10秒程度してまた倒れ込んだ。
「いや、全然大丈夫じゃないじゃないですか?」
わたしはそう言って駆け寄るとその場にグーーという間抜けな音が響いた。
「もしかして、おなかすいてるんですか?」
その男性は恥ずかしそうに頬を染めた。
「じゃあ、わたしの家まで来てください。」
そう言って男性の手を引っ張り、家の中に入っていった。
「じゃあ、ソファーで寝ててください。すぐになにか作るので。」
そう言って台所へむかって、冷蔵庫から適当に物を出し、チャーハンを作り始めた。
ふと、ソファーを見ると男性はよっぽど疲れているのか、おなかがすいているのか、もう寝ていた。
いったいこの人は何者なんだろう?思わず家に入れてしまったがなにかあってからじゃ遅いだろうし· · ·いや、こんな状態じゃ男性とはいえ力負けすることはないだろう。
「できましたよ。味は保証出来ませんけど。」
そう言うと男性は立ち上がり、椅子に座って食べ始めた。
「いただきます。」
こうしてわたしは出会ったばかりの男性と食事を始めた。
「そういえば、名前言ってませんでしたね。わたし、井上 結花と言います。あなたは?」
「神崎 優希です。」
「なんであんなとこに倒れてたんですか?」
「· · · 分かりません。」
「えっ?」
「記憶が· · ·ないんです。」
「えっ!?記憶喪失ってやつですか?」
思わず聞き返すと、申し訳なさそうにコクリと首肯した。
「えっ、それじゃあ住む所とかって· · ·って質問攻めになってごめんなさい。」
「いや、こちらこそご馳走になってるのに何も出来なくて、申し訳ないです。· · ·住む所は自分でなんとかします。ごちそうさまでした。いつかお礼をしに来ます。」
そう言って椅子を立ち、帰ろうとする神崎さんを呼び止めわたしは言った。
「あの· · ·よかったらウチにとまりませんか?」· · ·と