逮捕
はー何でこうなったんだろう、今頃は天使に囲まれながら楽しく過ごしてるはずだったのに。
針の山を見つめながらこの数日で起こった事を思い返していた。
俺は勇者で魔王を倒して、世界を平和にして、一国の主になり妻と結婚し子供にも恵まれ人生を平穏に過ごし死んだ。
そして死んだ後に迎えが来た。
えーとカールさんですね。一人の男が立っており名前を呼ばれた。
はい、そうですがと答える。
また、お会いしましたね。
久しぶりですね、元気でしたか一さん。
元気というのはあまり私達には縁のない言葉ですがね。
この一さんと言うのは、この世界に転生させて勇者にして人だ。今回も転生ですか?
いいえ。残念ながら今回は貴方に容疑がかかっている為、天界裁判を受けてもらう為に迎えに来ました。
え、と言うと男たちが現れカールだな。神殺害容疑で逮捕する。
一さんが言う、抵抗はしないでください。今回私が来たのは貴方と顔見知りで、貴方を説得する為に来ました。貴方を無罪にしますので、信じてください。
ここで逃げると言っても逃げる場所なんてなさそうだし、一さんには転生させてくれた恩もあるし、信用しても良いか。
分かりました。手を出せと言われたので手を出すと手錠をかけられた。
そのまま檻に入れられて護送された。逮捕されたのは2回目だな。一回目は魔王の手下になっていた、領主に町に入った途端捕まえられて、檻に入れられた時に、前に助けた盗賊が助けに来てくれて、初めての仲間になってくれたんだよな、懐かしいな。