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スーサイド・フェスティバル概要、Kについて

2018年6月の第2日曜。東京都内、池袋西口公園で小規模の音楽フェスが開催されていた。このイベント中、ステージ上で爆発が起き、火の手があがった。この事故で、ステージ上で演奏していたバンドメンバーや観客を含む9人が死亡。12人が重軽傷を負った。この出来事は事故として扱われ、一般的には「スーパー・サイド・フェス爆発事故」として知られている。この事故はテレビや新聞、ネットで取り上げられたものの、ほどなくして報道されなくなる。2030年には、この事故の記録はほとんど残っていない。


2030年の東京で、ひとりの男がこの事故について調べていた。彼の名をKと言う。Kは、スーパー・サイド・フェス爆破事故がただの事故ではなく、意図的に起こされたことだったと気づく。このフェスの正式名称を『スーサイド・フェスティバル』という。


Kは、時間移動技術を使い、2017年の東京にとんだ。そして、ネットカフェからTwitter上にこう書き残している。

「私はKという。2017年を生きる者たちへ伝えたいことがあったので2030年からやってきた。2017年では、まだ時間移動技術が一般的ではないだろうから、私が書き残すこともにわかには信じてもらえないだろう。それも致し方ないと思う。これから書き記すことは、いっそのこと、フィクションであってほしいぐらいだ。なので、フィクションとして処理してくれてもかまわない。しかし、どうしても私は言っておきたい。


スーサイド・フェスティバルを止めてくれ、と。


2018年6月の第2日曜にスーパー・サイド・フェス爆発事故が起こる。このフェスの真の名称はスーサイド・フェスティバル。集団自殺を意図したイベントだった。2030年現在では、この正式名称はなかったことにされている。歴史上においては、ごくごく小さな音楽イベントにおける事故だという扱いをうけているこの出来事だが、私が思うに、その後の音楽文化全体に強い影響を与えている」

彼は、2017年の主要SNSであるという観点から、Twitterを選んだ。彼はさらに書き込みを続ける。

「本当は事故が起こる2018年に飛びたかった。しかし、この時間移動技術はまだ完全ではないので誤差が生じ、2017年に到着した。私がこの時代にいられる時間も長くない。これから2018年以降に起こることを書き記す。どうか、私の書くことを誰か覚えておいてほしい」

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