表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼炎の姫御子と幻影の覇者  作者: ザウルス
ネメシア魔術学園編
1/4

絶対許さないんだから!!

太陽が光が優しく差し込んだ、仄暗い森の中に一際、輝きを放つ蒼炎。


その美しい色合いに誰もが見惚れることであろう。


その蒼炎を作り出す少女もまた天性の美しさだった。


大きく日開かれた、青色の瞳。ガラス細工のようにきめ細かく、伸びる蒼の髪。蒼穹のごとくと言ったことばが何より合う。


その瞳からは、男を近づけさせない凛とした表情で、近付こうものなら一瞬にして、返り討ちにしそうだ。


ただし、今は状況が最悪だ。


全裸。


目が会うと、背筋がぞーっとなり、冷え汗が絶えない。


全裸。文字どおり、何も着ていない生まれたての状態。


思春期の男子からしてみれば、ラッキーともいうべきだろう。


殺される!!


その一言が脳裏に走る。


理性はそう理解しているのに、身体が鉛のように重くなって動いてくれない。


体の動きよりも、目の前の光景を残そうと見惚れていた。

現実をはるかに超えたその光景に。


その時の女の子はーーーー


状況が掴めてないのだろうか、突然の侵入者に目をパチパチするだけであった。


きょとん、とした表者のまま、胸を隠そうとはしなかった。


トン。


朝露が湖に落ちる音に、アキトは意識を取り戻す。


「あー、その………」


胸のドキドキを抑え、深呼吸をし、落ち着きを取り戻す。


「これは、たまたまだ。見ちまったことは謝るが……安心しろ、この事は誰も言わない。」


見てしまった事を謝りつつ、なるべく怒らせないように慎重に言葉を選んだ。


しかし、これが間違いだった。


謝る以前に、呆然としているの少女の耳には何も聞こえていない。


ただ、一点を覗いては。


「見たわね……」


立ち去ろうとしたときに、身も毛もよだつような殺気が辺りには漂う。


振り返ると、全身を蒼色のオーラをまとわせ、肩が小刻み震えていた。


真夏のはずなのに、鳥肌がおさまらない。


「見たわね?」


「え?」


少女の小さな唇から漏れた一言。


自分に死亡フラグが立っていることにアキトは気がついた。


裸体を見られたことの怒りだろう。無理もない。


しかし、彼女の怒りの原因はアキトの考えていたこととは全く異なるものだった。


「蒼炎……」


「ん!?」


「私の蒼炎を見たわね!?」


そう叫んだ瞬間、青い髪が炎のように逆立った。


「えっ!?そこ!?」


アキトは思はず突っ込んでしまった。


自分の裸体を見られたことよりも、蒼炎。いわゆる青い炎を見られたことに腹が立っているようだ。


「ー許さないわ。」


先程の女の子らしい可愛い声とは裏腹にどうやって出したかわからないほどのどす黒い低い声でアキトを威圧する。


刹那


森の空気が先程とはうって変わりざわついている。


風が少女一点に集中して集まっている。


アキトはこの光景を知っている。


これは間違いなく……


ー蒼炎を纏いし獅子よ、全てを浄化する青き炎よ!


ー今ここに、血の盟約に従い汝を我が元へ誘えたまえ。


ーそして、全てを焼き尽くせ!


少女の手に、青い元素粒子が集中し、やがてはそれが青い炎となって出現した。


「精霊術師か!」


精霊術師。


この世界には至る所に精霊が宿っている。木々をはじめ、その辺に転がっている石ころにもだ。


精霊術師とは、精霊と契約を交わした少女に与えられる資格である。


様々な属性がある中、自分にあった属性精霊と契約し、その精霊の力、またその精霊の配下である精霊を自由に使役することができる。


契約する精霊が強力なほど、精霊術師としての品格が上がる。


精霊術師は大変貴重な存在ではあるが、アキトは驚かなかった。


ここは、大陸中の精霊術師があると同時にアキト自信が何十人もの精霊術師と出会っているからだ。


それとは別にアキトには感心することがあった。


「まさか、魔装術(エレメント)を使えるとはな。」


少女の手には、蒼炎……ではなく剣が握られていた。


精霊術師の中でも、魔装術を使えるものはごく限られた者たちのみ。


体力と魔力を激しく消耗し、扱いを謝ると生命力も奪われ死ぬ可能性もある。


人によっては、召喚しただけで息がきれると言われている。


相当な技量と膨大な魔力が必要なはずだが……


目の前の少女は息がきれるところか平然とし、余裕のある表情だ。


どうやら、完全に従えさせたみたいだ。


恐らく、彼女は十代そこそこ。天才としか言いようがない。


ここまで、感心したのはいつぶりだろうか。


6年前に出会った、‘‘あいつ,,いらいか。


まぁ、今はそんなことどうだっていい。


アキトは命の危機に立っているのだ。身を守る事を最優先に考えなくてはならない。


シュン


「ーっ!?」


彼女が剣をきらんと動かした瞬間、アキトの右頬に何かが通り過ぎた。


空気を切り裂く音。


気がつけば、右頬から血がたれていおり、下を見ると地面が2つに割れていた。


「へぇ、このミレア・アレシュタインの攻撃をかわすなんて……そこそこ実力のある暗殺者ね。」


少女はアキトを覗き魔と思っていたが、自身の攻撃を避けられたことから手慣れな暗殺者と考えを改めた。


当然、アキトは暗殺者なんかではない。たまたま、迷い込んだ先に彼女がいたのだ。


「ま、まてよ! 誤解だ!俺は暗殺者なんかじゃ……」


慌てて首を振り、弁解するが、


「言い訳無用! 死ね死ね死ね死ね死ね!!死になさい!!」


可愛い女が死ねなんて言ってはいけません。ていうか、なぜ最後だけ丁寧なんだ。


「あ、ぶね!?」


炎を纏った剣が、アキトめがけて振り下ろされる。


とっさに避けたが、コートに火が移ってしまい。それを消そうとするが消えるどころか、ますます激しくたってコートを燃やし尽くした。



「この炎は、相手を燃やし尽くすまで消えることのない不滅の蒼炎。消すには私の意志が必要よ。」


厄介な炎だな。


まともに太刀打ちしても、その炎に武器が燃やされてしまうだろう。


となると、逃げるが勝ち勝ちだ!!


「あ、待ちなさい!!」


全速力で逃げるアキトを追いかけるミレア。


逃げる最中、アキトは先ほどから気になっていた事を彼女にぶつけた。


「そろそろ、ちゃんと隠せ。お前、素っ裸なの自覚してるのか?」


「ーえ?」


瞬間、凍りつくミレア。


「きゃああああっ!!」


可愛らしい悲鳴を上げ、そのまま座り込むミレア。


今がチャンス


「今度はちゃんと服着て会おうな!!」


「あ、待ちなさ……」


言いかけた瞬間、突然アキトはその場から消えた。


「………えっ!?」


一瞬の出来事に何が起きたか理解できないミレア。


そこには、燃え尽きて灰になったコート意外何もなかった。


辺りを捜索するが見つからず、隠れた様子もない。


突然、その場から消えたのだ。


まるで、幻を見ていたかのように。

























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ