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異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第三十五章 駆け出し冒険者を支援します

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第585話 やせっぽっちの街ぐらし

はい・・・あの、オレ達の話とかで、それでいいんで?

もっと、腕利きのえらい人はいくらでも・・・。


わかりました。何でも聞いてください。

街で人に助けてもらったのは、はじめてです。

少しでも恩が返せるなら、なんでも話します。


その・・・あったかい飯、ありがとうございます。

昨日も、その前も何も食べてなくて、しょうじき動けなくて、どうしよう、と思ってました。

ありがとうございます。


何で2人組なのかって?

オレたち、同じ村の出身なんです。

オレがジョンで、こいつがエルマーです。

エルマーはオレの1つ下で、いっしょに街に出てきました。


兄貴が4年前に街に出てきて冒険者をやってて、それで世話になるつもりで来たんです。

だけど、来てみたら兄貴がいなくて、受付の人に聞いても引退した、街にいない、って言われて。

何かピラピラしたもの見せられたけど、オレもエルマーも字は読めないけど、言われたんです。


兄貴はもういない、って。


とにかく、有り金はたいて登録ってのはしたんだけど、仕事の仕方はわからないし、兄貴に世話になるつもりだったから、金もあんまりなくて、住むところもないし。


今は・・・どうにかなってる、とはいえないです。

橋の下の布で隠しただけの宿で寝てます。

朝からうるさいし、なんだか汚い場所でよく眠れなかったです。

ただ、宿の奴等から教わって、今はスライムを狩って暮らしてます。

安いですけど、棒きれしか持ってない俺達でも何とか狩れるんで。


オレたちみたいな子供だと、体が小さいから街の下水溝の奥までに入り込んでスライムが狩れるんです。

スライムのなんか真ん中の丸いやつが何かの材料になるとかで。

ただ、雨が降ったりするとスライムが下水溝から流されるし、溺れると危ないんで、あんまり取れなくなります。

いい場所は、この街に長くいる奴等が独占してて、オレたちは近寄れません。


冒険者ギルドに行ったのも、雨でスライムが取れなくて、仕事がないか探してたんです。

掲示板の前にいたのは、あそこを見れば仕事があるって聞いたんで。

だけどオレもエルマーも字が読めないし、読んでもらうには金が要るっていうし。

そんな金があったら、飯を食ってます。


荷物を運ぶ仕事はないか、って聞いても格好が汚いからダメだ、とか、細くて力がなさそうだからダメだ、って言われて。

汚いのは住んでるところと、スライムを狩るのに下水溝を這い回るからだし、細いのは飯食ってないからで、そんなこと言われてもどうしようもなくて、でも、あの掲示板に書いてあることが読めたら、ひょっとしたら何とかなるかも、と思って見てたら声をかけられたんです。


正直、ついてくるのは怖かったです。

でも、オレもエルマーもどん詰まりで、とにかく腹が減って寒かったし、どうにでもなれ、今より悪くはならないだろう、って思って。

はい、今度からは気をつけます。


この工房っていうところ、すごいです。こんなデカくていろんなモノがある建物に入ったことはないです。金属の道具があんなにたくさんあるし・・・


すみません。オレ、頭が悪くてつい別のことが気になって。

村でも母ちゃんから落ち着きがない、ってずっと言われてて。


ええと、だから冒険者になって、オレ達はまだ短いんです。3ヶ月ぐらいになるんですかね。

年ですか?オレが14、エルマーが13です。

あと1年ぐらいは村に居ても良かったんですけど、オレの分の畑はないし、兄貴みたいに冒険者になって村に仕送りしたいと思って出てきたんです。


でも、実際は仕送りどころじゃないです。

とにかく今はスライムを狩って、賤貨を稼いで、屋台で臭い麦粥を食って、橋の下の宿で寝る。

それしかしてないです。


病気になる、って言われたって、そりゃあそうだけど、オレたちみたいなのは街の人達が使う井戸に近づくと嫌な顔をされるから街の外に行った時に体を洗うぐらいで。

病気になったらなったで仕方ないし、その時はその時です。


飯、あったかかったです。

ありがとうございます。

明日も12:00に更新します

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