表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第三十二章 交流の仕組みづくりを支援します

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

537/763

第536話 ミッション

クラウディオが言うことを俺なりに解釈すると、ミッション・カードというものに概念コンセプトが近い。


国際的な企業になると、企業のミッションについて本やカードなどにまとめられて従業員に配布されることがある。


まあ、もともとミッションという言葉からして宗教から来ているわけだが。

このままでは、この世界での企業のミッションという言葉の最初の事例になってしまう。

おまけに、俺の名前が残るわけか。

勘弁して欲しい。


「だが、字が読める者ばかりではないだろう?わざわざ文字に起こすのは意味がないのではないか?」


自分でも矛盾したことを言っているのはわかっているが、反論せずにはいられない。


「事業の意義を伝えることを主張されたのは代官さまですし、文字の読めない者には代読させるなど、いくらでも手段はあります」


と、一瞬で論破されてしまった。


「それに、この工房には印刷機があるではありませんか。それを使えば、簡単に数を増やせるではあるのでは?」


おまけに、余計なことまで言うものだから、印刷機、という言葉に反応したサラまでが付け足しだす。


「そうね!それと見習いの子も凄く絵がうまくなったのよ!あんまり字が読めない人も、絵がついてたら理解できるんじゃないかしら?」


おまけに絵をつけようとまで言い出した。


たしかに、それは有効な手段だと認めざるを得ない。

サラのアイディアを受けて、皮肉なことに俺もアイディアを思いついてしまう。


「・・・それに、事業の現場に大きな看板を置いて、事業の意義や進捗状況を適宜更新するのもいいな」


諦めたように言うと、新人官吏達がニヤリと笑顔を浮かべたように感じた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「ただ、自分の名前を使う必要はないだろう。この手の者は偉い人の名前を使えば、それだけ有り難みが増すものだ」


もともと俺の領地というわけではないし、自分の名前を売ったところで得することは何もない。

ここの領地は数年手放す代官という身分でしかないのだし、下手に名前が売れて任期の終了後に他所の領地の代官などを打診されても困る。


新人官吏達からすると、俺はそこそこの人間に見えるかもしれないが、客観的に見れば身元の知れない冒険者あがりのポッと出の事業家に過ぎない。

ただ、教会の偉い人に少しばかり贔屓にされて、仕事を振られているだけの普通の人間だ。


「代官様はそんな・・・」


「いや、それが事実というものだろう」


クラウディオの反論を封じる。

事業に集まってくる人間も、直接面識のない人間からすればそんなものだ。


「理想を言えば、枢機卿様の名前を貸していただくのがいいかもな」


信仰の薄い人間であっても、枢機卿という肩書きに疑義を挟むことができる人間はいない。

実務的にはニコロ司祭が取り仕切ることになるだろうけれども、名声を得ることのできる機会を譲られて嬉しくない偉いさんはいないだろう。

本日は22:00にも更新します・・・勝てば。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一二三書房様 庭に穴が出来た 特設ページです https://www.hifumi.co.jp/lineup/9784891998769  バナーは書籍の特設サイトです 

i252242/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ