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異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第三十章 専門家の知識共有を支援します

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第509話 説明会の理解度

倉庫の専門家の説明を最後に専門家達による技能の説明は、一応、全体が終了した。


「みなさん、お疲れ様でした」


本来の予定では、この後で分かれて議論をする予定であったが、外はもう暗くなりつつある。

参加者たちの目は興奮に輝いているが、疲労の表情を隠せない者もいる。


「いやいや、本当に疲れました」と測量士のバンドルフィ。


「全くです。刺激はありましたが」と水車の専門家のエイベル。


初めての説明会。初めての説明プレゼン。初めての議論ディスカッション。初めての他の専門家の知識。

何もかもの初めての経験続きで刺激にはなっただろうが、消化するための時間が必要だろう。


だが、中には受けた刺激を今すぐに形にしたがっている者達もいる。

まるで、思いついたばかりの考えが消えることを恐れるように。


「今すぐに図面を引いてもいいのだがな」と機構士のマルタ。


「いやいや、最初から考え直しですよ」と倉庫専門家のベンサム。


前者と後者の違いは、事業や仕掛けの全体像に触れた経験によるのかもしれない。


「専門外のことは考えたこともなかった」なのか「専門外のことなので知らなかった」なのか。

前者の方が学びは大きいが、消耗も大きかっただろう。


そのあたりの事情は、手伝いと裏方に回っていた新人官吏達も同じように見える。

一応の知識は議論していたが、技術に関する専門知識や技能の背景バックグラウンドを持たない者達にとっては怪しげな呪文を聞かされているかのような時間だっただろう。

それでも仕事として理解しなければならないのだから、その疲労も推して知るべし、だ。


「サラ、どうだった?」


裏方の仕事を終えて、集まってきた新人官吏達の中から、サラに聞いてみる。

こういう時の基準として、サラに聞くことにしている。

クラウディオやパペリーノのような知識階級インテリに話を聞くと、全体の理解度を測るのを誤るからだ。


「うーん・・・なんかすごいことはわかったけど、全部わかった?と言われると厳しいかなあ・・・」


「そうか・・・」


専門家達で活発な議論に参加していたものもいれば、黙っていたものもいる。

発言しなかった者達の理解度が高ければいいが、あまり幻想を抱かない方がいいかもしれない。


自分が事業全体を理解することは重要だが、専門家達全員の底上げを図ることが今回の説明会の目的なのだから、フォローの方法を考える必要がある。


簡単に理解度をチェックする方法があるといいのだが。


「小テストなんぞをやるわけにもいかないしな」


この後の打ち上げ食事会で、直接対面しながら理解度を探っていくしかないだろう。


「そうですね。それは代官様しかできないかもしれません。そもそも、我々では何が理解できていないのかも怪しい部分がありますから」


クラウディオが少し悔しそうに言う。


「とはいえ、1人で全員と話すわけにもいかないしな」


少し悩んでいると、サラが助言してきた。


「さっき話してたおじさん達に聞いてみたら?お友達のことだから詳しいでしょ?」


なるほど、同業者なら誰が理解が早く、誰が理解が遅いかも評価できている、というある種の相互評価か。


「そうするか」


答えつつ、食事会でチェックすべき質問内容を頭の中で練り始める。

今週多忙のため、明日まで18:00のみ更新となります

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