表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第二十九章 説明会を開催して知的・人的交流を支援します

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

483/763

第482話 共有のしかけ

議論を通じて、段々と説明・交流会の構想が固まってくる。


まず、依頼主である代官からの要請として、全ての専門家を集める。

次に、代官側から全体像を説明し、専門家側からも順に説明を行う。

最後に、説明会の後は、全員が参加する酒席を設ける。


説明会は教会で行い、会食は近所の酒屋を借り切ってもいい。


「それであれば、手配を私に任せてもらえませんか」


リュックが申し出る。確かに、このメンバーでいえば、リュックが一番、手配に手慣れている。


「酒はたっぷり用意しておけよ」


酔いつぶれて暴れたりしてもらっては困るが、専門家といっても平民だ。

代官が同席するにしても、堅苦しい席よりは酒があった方がいいだろう。


「任せてください。肉も酒もタップリと用意してみせます」


張り切ってリュックが答えるのに、少しばかり不安を覚える。

お財布に優しい額に収まるよう祈るしかない。


「あとは、もう少し何とかしたいな」


「もう少し、ですか?酒ですか?料理ですか?」


リュックの問いに主語を省略していたことに気がついて、苦笑した。


「いや、そうではなくて、交流のことだ。座って話を聞いて終わり、ではな。今のままで酒席を設けても、グループ毎に固まるのは目に見えている」


「なるほど、そうなるかもしれませんね」


交流させるために時間を使い、予算を出すのだから、お互いに交流させるための仕掛けをしたい。

席順を変えたり固定したとしても、話題がなくて困るだろう。


「いっそ専門家の集団を解体するか・・・」


集団になっているから、個人の顔が見えなくなる。

何かの口実を作り、個人になるようバラバラにしてしまえばいい。


「解体・・・とは穏やかではありませんね」


何を想像したのか、クラウディオが注意をしてくる。


「ものの例えだ。こういうのはどうだ。依頼主と専門家の説明を一通り行えば、全体像は一応、全員が理解できるな」


「ええ。そうですね」


「その後に、小さな集団グループに分かれて、計画の課題や改善の提案を検討するんだ。集団には、各分野の専門家が1名ずつ入るようにする。提案は、その集団単位で行う」


いわゆるワーキンググループ方式だ。集団活動グループワークと言った方が通りがいいかもしれない。

わかりやすい事例でいえば、ロボコンの国際大会でのチーム編成が国別でなく混合で行われる様子を想像するといい。


「聞いたことのないやり方ですが・・・説明と検討を同日に行うのですね」


「そうだ。検討できることは、その日にやってしまった方が効率がいい。それに小集団の方が議論や検討は行いやすいものだ。最も良い提案を出した集団には賞金を出してもいい」


説明会で全員に情報共有をする。小集団の議論しやすい単位に分ける。議論のテーマを実務に関連させる。小集団同士を競争させる。競争の結果に賞金を出す。


専門家同士の知見を共有させるための工夫を指折り数えると、全員が口を開け、呆れた表情になっていた。


「靴の包装の時も思ったけど、ケンジのやり方って執念深いというか徹底してるのね・・・」


というサラの発言は「そこまでやるのか」という、その場の全員が共有した想いだったのかもしれない。

明日は12:00に更新します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一二三書房様 庭に穴が出来た 特設ページです https://www.hifumi.co.jp/lineup/9784891998769  バナーは書籍の特設サイトです 

i252242/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ