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第44話 同行者の値段

しばらくすると、二階の部屋からサラが寝ぼけ眼で下りて来た。


「おはよー。あんた、早いね。」


「俺は普通だ。お前が冒険者の癖に遅いんだよ。」


「だって、あんだけエール飲めたの久しぶりだし・・・。」


まあ、女一人で冒険者やってると、いろいろあるのだろう。

街中で懐と安全の両面で安心して飲める機会は、貴重に違いない。


俺の部屋に潜り込んで泊まったのも、少なくとも貴重品を盗まれたりはしない

という程度には、懐具合が信用されていたことも大きいのだと思う。


「あ、お茶!」


とサラが強請ねだるので、宿の人に言って、お湯をカップで入れてもらう。

茶を飲みながらサラと話す。


「それで、剣牙の兵団の話は、どうするか決めたの?」


「ああ、それなら受けないことに決めた。」


と答えるとサラは嬉しそうに頷いた。


「入団はしないが、依頼は受ける。

 この街に奴らがいる間は、サポートをするつもりだ。

 あと2年ぐらいは、奴らもこの街を拠点にするだろう。

 その間に、俺も別の地縁コネを作らないとな。」


俺はこの街で頑張って商売ビジネスをする宣言をしたつもりだったが


「なんか良くわかんないけど、あんたが決めたんなら、それでいいんじゃない?」


と、サラは俺を信用してるのかいないのか、適当な返事をよこした。


「まずは、靴作りを軌道に乗せる。ちょっと視察に行くから、お前も付き合え。

 どうせ、今日は依頼を受けてないんだろ?朝飯は奢ってやる。」


「えー・・・革通りに行くのー・・・。あそこ臭いんだよね。

 お昼ご飯と、体拭くお湯の代金も奢ってよ。」


「わかった。サウナ風呂も奢ってやるから。あそこの連中、気が荒いから

 女のお前がいた方が助かる。」


「まあ、そこまで言うなら仕方ないか。ついて行ってあげるよ。」


サラは、早速エールと麦粥を追加で注文した。

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