表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/763

第32話 道の先には

 現代世界では偉いさんへの営業プレゼンは散々やったんだ。

 それに、剣牙の兵団をどうするか、確固としたイメージはある。


 俺は口を開いた。


「結論から言うと、剣牙の兵団はもっと強くなるべきだ」


 と言うと、ジルボアもスイベリーも意表を突かれた顔をした。


 わかるよ、この不利な状況で如何に低コストで戦闘力を保つように

 するのか、そういうコストカット的な話をされると思ったんだろう?


 新人冒険者かけだし達には、それを指導してきたわけだからな。

 スイベリーも、そのあたりの評判を聞いて俺に接触してきたのだろう。

   

 だが、剣牙の兵団のようなトップクランが、そんな方針をとったらダメだ。

 これまで育成してきた戦闘力、という掛け替えのない価値が死んでしまう。


「あんた達は、この街近郊で活躍するには、強くなり過ぎた。

 だから、もっと広い地域で活躍できるようになるべきだ。


 別の地域なら、あんた達の望む広い土地、強く打倒すべき敵、

 戦うべき戦場があるだろう。


 そのためには、もっと強くなる必要がある」


 この世界では怪物モンスターの脅威があるため、街は、

 そのまま都市国家としての性格を強く持っている。


 冒険者も大抵は都市に所属して生きているものだ。


 別の地域に行くとは、元の世界では別の国家に所属しろ、

 という意見に等しい。


 そうかもしれないが、そんなことは可能なのか?という意見でもある。


「それができれば苦労はしない。1人の冒険者なら別の街でも

 仕事ができるかもしれんが、

 俺達の規模になれば、そう簡単に、拠点を移して仕事はできん。

 それに、俺達を支援している貴族達との付き合いもある。

 それを放り捨てていくわけにはいかんのだ」


 スイベリーが顔をしかめて、それは机上の空論だという。


 俺も机上の空論は嫌いだ。だから言う。


「違う。剣牙の兵団が移動するんじゃない。別の街に来てもらうのさ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一二三書房様 庭に穴が出来た 特設ページです https://www.hifumi.co.jp/lineup/9784891998769  バナーは書籍の特設サイトです 

i252242/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ