表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第十九章 研究者と協力して冒険者を支援します
295/763

第294話 変な人

数日後、俺はアンヌに紹介された貴族の屋敷の前に立っていた。

護衛の同行は門の外までしか許されなかったので、サラと俺の2人で、アンヌに先導されて貴族の屋敷の敷地へと入っていく。

通常、庶民が貴族屋敷に訪問するにはいろいろと手続きがあるらしいが、そこはアンヌの地縁コネの力というべきなのか、咎め立てされることなく門内へと進んでいく。


アンヌは馬車溜りのある正面の大きな屋敷へと向かわず、道を脇にそれて小さな家、それでも庶民の屋敷よりは大きいが、に向かっていこうとしているようだ。


「あのお家、少し変な形してない?」


とサラが言うのでよくみると、確かに屋根や壁の形が変わっている気もする。

窓の鎧戸が不自然に大きく、枚数も多い。明かりを多く取ることを追求しているのだろうか。

また、1階はテラスが非常に大きく、ちょっとしたステージまでついている。


「あれはね、アトリエ、と言って絵や芸術のための家なのよ?」


とアンヌがサラに説明する。


「あとりえ・・・」


元農民のサラからすると、たかが絵を描くために専用の家がある、という発想に理解が追いつかないようだ。


「あなたは、おどろかないのね。つまんないわね」


気が付くと、アンヌが俺をじっと見つめており、面白くなさそうに言った。


「いや、驚いてるさ。立派なアトリエじゃないか」


慌てて調子を合わせたのだが、アンヌは


「そうじゃないんだけどね・・・。ま、いいわ。ついてきて」


と、疑惑の追求は後にして、とりあえず仕事を優先することにしてくれたようだった。


◇ ◇ ◇ ◇


入口らしき開放された扉の前で、俺達は立ち止まる。

ノックすべきドアもなければ、呼び出しのベルもない。

普通、貴族の家にいる執事やメイドの姿も見えない。

そうして戸惑っていると、


「男爵様、いらっしゃいますか。アンヌでございます」


アンヌが、俺が聞いたこともない猫を被った声で呼びかける。

すると、奥の方から


「ああ、アンヌか。ちょっと手が放せないので奥まで来てくれないか」


と応えがあった。

意外に若い声だ。30は超えている、という話だったが。


アンヌに先導されて奥の部屋まで進むと、ひどく天井が高く明るい部屋に出た。

2階部分の床がなく、そして2階の壁は鎧戸が開け放たれて光が入ってきている。

その空間の真中で、小さな箱を熱心に覗き込んでいる男。


それが、アンヌの言う変な人、こと、ベルトルド男爵のようだった。

本日は18:00にも更新します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一二三書房様 庭に穴が出来た 特設ページです https://www.hifumi.co.jp/lineup/9784891998769  バナーは書籍の特設サイトです 

i252242/
― 新着の感想 ―
[一言] 読んでいく内に異世界と言うよりは未来人モノに見えてきました(´・ω・`)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ