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第24話 一流のクラン

スイベリーに先導される形で、俺は3等街区を抜けて2等街区へと向かった。


2等街区の住人は、成功した冒険者や中堅の商人、専門性の高い職業につく師匠連達である。 


剣牙の団のような一流のクランともなると、1等街区の大商人や貴族街に住む貴族達から依頼をうけることも多い。

  

しかし、クランの団長シェフはともかく、メンバーたちの多くは3等街区の住人だ。

  

1等街区への移動は通用門のチェックも厳しく、クロスボウやポールアームなどの大型武器の通行には制限があり何かと不便である。


そんな事情で、剣牙の団は実力も金銭かねもあるが、利便性の高い2等街区に事務所を構えているのだ。


やはり、2等街区は空気からして違うな、と歩きつつケンジは思う。   

3等街区のような汚泥や下水の匂いは相当に軽減されている。


もし自分で事務所を構えるなら家賃はどの程度だろうか。などと物思いにふけるうちに剣牙の団の事務所につく。


2等街区でもメインストリートの1階に、それはあった。

剣と牙をモチーフにした巨大な看板が掲げられている。


エレベーターのない、この世界で、都市部の1階は相当の高額物件である。

そこに30名からの冒険者を滞在させられる1流クランの金回りの良さよ

とケンジは感心する。


「おう、帰ったぞ」スイベリーが扉を開けると


「「お疲れさまっす!!」」と野太い声で十名以上の男たちが一斉に出迎える。

全員が簡易な鎧を身に着けている。


事務所の中は、貴族や大商人を迎えるための応接セットが右手にあるが、

左手には団員達の待機する椅子とテーブルが無造作に並び、

さらに、壁一面に剣、斧、槍、ポールアーム、クロスボウ、ランスなどの

あらゆる種類の武器が立てかけられて物々しい。


おそらく、団長の号令一下ごうれいいっか、武器を取って飛び出していける体制になっているのだろう。


なんというか、農民あがりのど素人ばかり見てきた俺からすると、目がくらむほどの練度だ。


金銭かねがあり、技量ちからがあり、士気やるきも高い。  


これが一流のクランか、とケンジは認識を新たにする。

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