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異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第十四章 事業を拡大して冒険者を支援します:ブランド管理編

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第218話 情報提供の機微

GW中は休日スケジュールで掲載します。

ようやく冷静な話し合いができる精神状態になったミケリーノ助祭が、質問してきた。


「正しい情報提供と言いましたが、どのような情報を提供したら良いと思いますか?」


俺は少し考えて、逆に質問する。


「教会では、どのような手段で情報の共有をしていらっしゃいますか?各地の教会の司祭様達と、という意味ですが」


まずはコミュニケーションの手段を確認する。情報を流すのであれば、現在使用されている情報提供の仕組みを使用して流すのが安価、確実、迅速だからだ。


「そうですね・・・街中の教会であれば、半年に1度、司祭の集いがありますね。2月ほど前に開催していますから、次回は4カ月先になりますね」


それでは遅すぎる。だが、まあ、この世界の情報共有であれば、それで十分な頻度なのだろう。


「他には、私信という形で上位の教会から回覧用の文書を流すことがありますね。多くは、喜捨の依頼や領内で流行病が発生したとかの内容ですね」


確かに、流行病は早期に対処する必要があるだろうから、速報的な情報共有手段として回覧方式の文書があるのは合理的だ。今回の靴バブル対応も、ある意味で流行病のようなものだから、その方式にのせた方が良いかもしれない。


「今回の事柄について、回覧の文書を流すことは可能でしょうか?」


俺が尋ねると、ミケリーノ助祭は力強く頷いた。


「可能でしょう。ニコロ司祭のお名前であれば、街中の司祭達に連絡をするのに不足はありません。それに、今回の印を管理する部門については、知りたいと思う者が多いはずですから、どこからも文句は出ないと思います」


「そうですか。それでは、日時を定めて司祭様向けの説明会を開くことにしましょう。上位の司教様達であれば人数も少ないので個別にお話をされても良いと思いますが、司祭様達全員に個別にお話するのは難しいでしょうからね。これで、少しは時間が稼げるはずです」


教会の管区や数字の話は細かな変動もあるらしく正確なところは知らないが、自分の住む教区のサイズから考えると、教区を管理する司教であれば10数人程度の筈である。


一方で、その下の個別の教会を管理する司祭達は、この街に100人では効かない数がいるものと思われる。

その全てに、ニコロ司祭傘下の数人で対応していたのでは、徹夜にもなろうというものだ。


それを聞いて、ミケリーノ助祭は、ホッとした表情になった。

おそらく徹夜が続いていて、こんな簡単な考えも浮かばない程、追い詰められていたのだろう。


「そうですね、早速、ニコロ司祭と調整しましょう!まとめて説明する機会を設ける、という話であれば街中の司祭達も落ち着くでしょう!」


「ええ、そうです。情報がないから、人は疑心暗鬼にもなるし、駆けまわったりもするのです。後で情報が提供されるというのも情報です。まずは、そうして落ち着いていただくことにしましょう」


「それでは、早速に手を打つとしましょう!ああ、日時については、こちらで連絡します。それでは!」


そう言い置いて、ミケリーノ助祭は会議をしていた教会の部屋から小走りに出て行ってしまった。

本当は、その会議で何を話すのか、どういう施策をうつのかを議論したかったのだが。

あの疲弊した様子では無理そうだ。


俺は溜息を吐いて椅子から立ち上がり、帰ることにした。


「これで、少しは会社うちに来る聖職者様は減るのかな?」


サラが、そう聞いてきたが


「わからん」


と、俺は肩をすくめるしかなかった。

明日も12:00と18:00に更新します

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