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異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第十二章 事業を拡大して冒険者を支援します:意思決定編

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第180話 社内会議

あとは、どうやって業務に落としていくかである。


経営方針については株主である剣牙の兵団と街間商人のグールジンと話し合ったわけだが、実際の業務に落としていくに当たっては、実務の部長級の人間達と話し合い、説得しなければならない。


組織図に従うならば、サラ、ゴルゴゴ、アンヌ、キリクである。


久しぶりに集まった彼らを前に、俺は話を始める。


冒険者ギルドの報告書を代筆し、冒険者のデータを入手できるようになっていること、冒険者の組織改革が進み冒険者への依頼が活発になっていること、教会に呼び出され開拓事業の指導団の指導を行ったこと、そして貴族や教会で開拓事業への機運が活発になっていること、などを改めて掻い摘んで説明した。


一応、全員が全部でないにしろ一部の案件には当事者として関わっているので知っていることだとは思うのだが、実際にどう事実をとらえているかは、また別の話であるから説明の必要はある。


「ここまでで、何か質問や詳しく説明してほしいことはあるか?」


俺が聞くと、アンヌが半目で、だらんと手を挙げて聞いてきた。


「あんたが教会の司祭様とつよーい地縁コネを作ったのはわかったけど、もうちょっと、お金持ちの聖職者様に謁見できる機会はないの?」


さすがアンヌだ、ブレてない。

すると、キリクがアンヌを茶化した。


「上位の聖職者様は、もうちっと上品な婦人が好みだとよ!」


するとアンヌが激昂して椅子に片足のヒールを、だん、と載せて


「何ですって!あたしが下品だってのかい!この筋肉ダルマ!もう一度言ってごらん!」


とやるものだから、会議は最初から荒れてしまった。


いやいや、いかにヒラヒラと長いスカートでも、そんな格好をすれば下着が見えますよ、アンヌさん。


そう思ったのだが、一応、礼儀正しく視線は逸らしておいた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


気を取り直して、会社の目標として3年後には靴の生産量を10倍にしたい、と打ち明けた。


予め説明をしておいたサラはともかく、アンヌやゴルゴゴは懐疑的だった。


ゴルゴゴからは製造上の疑問が多く出たが、その全てに俺は回答した。


「この建物に10倍も入るわけなかろうに」


「移転するか、違う土地に新しく建物を建てる」


「そんな資金かねはあるのかい。それに土地は普通の手段じゃ手に入らんだろう」


資金かねは稼ぐ。土地の取得は教会に相談する」


「職人の教育が間に合うのかね」


「職人が職人に教える仕組みを作ればできる。仕事はできるだけ簡単な単純作業に変える」


アンヌからは市場に関する疑問が多かったが、それにも回答した。


「そんなに作ったとして売れるの?」


「教会からも新しく靴の注文を受ける。守護の靴は王国中に売る算段を立てている」


「そんなにたくさん作ったら値段が下がらない?」


「下がっても売る。この靴を履いたなら、もう元の靴には戻れない。多くの人に履かせることを優先する」


どうやら俺が本気で靴の生産量を10倍にしようとしている、と感じたのか、彼らの顔が段々と引き締まって行った。


ゴルゴゴは基本的に賛成してくれた。丸投げしたとも言う。


「まあ、そういう細かいことはケンジに任せて儂は教会向けの靴とやらを作るわい。ちょっと試したい材料もあるでな」


アンヌは意外なことに、あるいは大変らしいことに、積極的に賛成してくれた。


「あんたもなかなかいい男になってきたわねえ。うまく行って大金持ちになったら、あたしの後援者パトロンになってくれてもいいわよ」


ちなみに、アンヌの言ういい男とは、財産かねをたっぷり持っていて劇団に貢いでくれる男のことである。

大変にわかりやすい。しかし、丁重にお断りしたい。


「そこで、今年1年の計画を立てた。まずは説明するから聞いてくれ」


俺が計画書を元に説明をはじめたところ、一同の目には困惑の色が広がっていった。

明日は12:00と18:00に更新します

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