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異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第九章 ギルドと協力して冒険者を支援します

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第118話 情報収集のコネ

「あとは、一度、あの二重顎と冒険者ギルドまわりの貴族の情報を収集した方がいいな」


俺の意見に、サラが疑問を呈する。


「そうね。でも、貴族の情報なんて私達に集められるかな」


「誰の情報を、何のために集めるのか。情報収集の焦点さえ合っていれば、俺達のコネの範囲でもなんとかなるさ」


俺は、情報収集の難易度については、わりと楽観視していた。


俺達が集める情報は、冒険者ギルドの管理職の個人情報と、冒険者ギルドを所管する貴族の情報である。


雲の上の存在で城に住んでいる伯爵様とは違い、調査の対象であるギルドの管理職は、3等街区にある冒険者ギルドに勤めている文官である。貴族の係累と言っても、ごく薄い血のつながりしかないに違いない。


その上の、冒険者ギルドを、どの貴族が所管しているかという情報など、公知の情報の範囲だろう。

冒険者ギルドの事業自体は、あまり儲かる事業ではなさそうだから、そこまで有力貴族が担当していないのでは、とあたりをつけているが、それ以上は調査してみないとわからない。


「とりあえず、情報が取れそうなコネをあげてみようか。

 まず、うちで広報宣伝を担当してるアンヌ。あいつは貴族のパトロンを探して歩いているから、内部情報はそれなりに詳しいだろう。誰が金持ちか、ぐらいしか出てこないかもしれんが。

 あとは、剣牙の兵団でジルボア。あいつも貴族のパーティーは随分と参加してるらしいからな。政治のことは詳しそうだ。

 それと、副長のスイベリーの義父の大商人。前にロロの件でも随分世話になったが、そこからも情報が欲しい」


そこで、一旦、言葉を切る。


「どうしたの?これでおわり?」


サラが不思議そうに問う。俺が名前を出すのをためらう雰囲気を感じたのだろう。


「まあ、いることはいる。クワン工房の営業アノールだ。ただ、あいつから情報を引き出すには、駆け引きが必要でなかなか難しい」


そう言うと、サラも同意した。


「そうね。なんか上品だけど、こっちを見下してる感じで、ちょっと嫌な雰囲気だったわ」


俺は少し躊躇って付け加える。


「それと、ロロだ」


サラが驚いて叫ぶ。


「ロロ!ロロって、あの、ロロ!靴の事業を潰そうとして、ケンジが脅して金貨を全部毟り取ってきたロロ!むりむり、絶対、ひどいことしたケンジのこと恨んでるって!」


ひどい言い草だ。俺はロロが欲しいというから、営業して靴を売ってきただけだ。


「勘違いするな。別にロロを脅して話を聞こうというんじゃない。ロロの奴がつけていた貴族向けの脅しのネタをひっくり返せば、他に何かわかるかもしれないってことさ」


サラが、ジッとこちらを見て疑わしそうに言う。


「ケンジ、あんたなんか悪いこと考えてない?」


サラの俺に対する信頼が厚くてつらい。


「アホなこと言うな。俺達みたいな庶民が貴族を脅したら一発で消されちまうよ。ロロの件は例外だ」


ロロの奴は、もともと貴族社会で嫌われ者だった上に、ロロの弱みを文書で握り、報復を企むための元手を根こそぎ奪ってきたから、今のところ反撃をされていないだけだ。


それと、貴族社会の中で面子を潰し力を失ったロロは、今頃は自分が蹴落としてきた連中からの報復に怯え、対応に忙しいはずだ。


「まあ、とりあえず情報収集だ。サラも手を貸してくれ」


そう言って、俺達は、とりあえず動き出した。

正しい問題解決のためには、仮説を立て、情報を収集し、効果的な手をうつ必要がある。

面倒くさいが、仕方ない。俺のような平凡な人間は、そうしなければ前に進めないのだから。

本日は22:00にも投稿します。

トップページの「今日の一冊」にて本作が紹介されております。

よろしければご覧ください。

(この文章は次の本が紹介されるまで約1週間、続けさせていただきます)

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