表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)  作者: ダイスケ
第一章 かけ出し冒険者の支援をはじめました
10/763

第10話 予約の仕組み

 小銭に目がくらんで、駆け出していきそうなサラを少し待たせることにして

 

 予約の仕組みを考える。


 「サラ、数字はわかるよな?冒険者びんぼうにんの連中はどのくらいなら数えられるんだ?」


 「そんくらいわかるよ!だって矢の数だって数えないといけないし!

  あんまり書けないけど・・・

  でも、農民だって税を数えるから、数えるだけはできるよ!」


 「税はどうやって数えてるんだ?」


 「なんかますはかりを使って、役人と村長が、

  大きい板に数えながら傷をつけるの。

  村の人みんなが、じっと見てるから誤魔化すのは難しいのよ!」


 なるほどなあ・・・。数学的なものは普及してないが、

 生活に必要な数字はあつかえるわけだ。

 

 農民にとって、税金の過多は文字通り、命に関わる。真剣なのだ。

 学は限られた層にしか普及していないが、知恵は平等だ。

 

 

 農村に数字を読む素養があるのなら、

 その仕組みを応用するのがいいだろう。


 俺は木切れを取り出すと、ナイフで削って傷をつけ始めた。


 「なにしてるの?」とサラが手元をのぞき込んで聞いてくる。


 あぶないって、手を切るだろ。


 「紹介状兼予約票を作ってるんだよ」


 10cmぐらいの木切れから、断面が丸い棒、三角の棒、四角い棒の3種類作る。


 各棒には、上の方、真ん中、下の方の3カ所のいずれかに大きく傷をつける。


 真ん中あたりには太陽を表す○印をつける。


 最後に、棒の断面に指輪を魔法で熱して焼き印をつける。


 これで、3日間分を3つに分けた予約票ができたわけだ。

 仕組みをサラに説明する。


 「今度から、紹介者にはこの棒を渡してくれ。

  棒は、丸い棒が今日、三角の棒が明日、四角い棒が明後日だ。

  傷は、朝飯後、昼食後、夕食前の3つだ。


  サラは、棒を渡したら俺の宿まで来て相手の名前を教えてくれ。

  残った棒を俺が受け取って、相手がいつ来るか確認する。


  それならできるな?」


 「うーん・・・?要するに、相手に棒を渡せばいいのね?

  ○が今日、△が明日、□が明後日。

  上線が朝、中線が昼、下線が夕方って説明して、

  残りを宿まで持ってくる」


 「そうだ。まあ、お前の依頼もあるだろうから、紹介するときに

  やってくれればいい」


 「わかった!とりあえず行ってくる!」

  そういうと、サラは木切れを引っ掴んで駆け出して行った。


 俺はとりあえず、平板にナイフで四角く線を引いてスケジュール表を

 つくりはじめた。


 「異世界来てまで、スケジュール表作るとは思わなかったな・・・」


 と、少し哀しい気持ちで呟いてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一二三書房様 庭に穴が出来た 特設ページです https://www.hifumi.co.jp/lineup/9784891998769  バナーは書籍の特設サイトです 

i252242/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ