表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

トイレ

 2050年のトイレは快適だった。


 家でなくとも公共のトイレはほとんどが洋式。しかもオシュレット等のオプションも充実していた。


 なんと言っても学校の便器が綺麗なのは、滝でなくとも嬉しいものだった。まあ、汚かったとしても滝は使用しなくてはならないのだが。


「うぅ」


 最初のころは呻き声を思わず漏らしていたが、今は無言でことを終わらすことができていた。しかし、顔は鬼のような形相だ。


「ジュロォォォォ」


 トイレから聞こえる水の流れる音ともに、ドアから滝は出てきた。


 それと同時に「キンコーンカーンコーン」とお馴染みに音が鳴る。


「はぁ、また授業に間に合わなかった…」


 授業の開始時はなんとか出席できていたのだが、いつものごとく下痢に襲われてしまい、授業が終わってしまったのだ。


 彼の下痢は一般的な物とはレベルが違った。一般人が一生味会うことのない痛み。その痛みは本人にしかわからず、本人も分かってほしいとは思っていなかった。


 そんな痛みが365日続くのだから、さっきのように日常に支障をきたすことも多い。


 もっとも分かりやすいのは、彼は高校2年生だが年齢は18ということだろう。つまり留年しているのだ。

 下痢のせいで進級することが出来ない。旗から見たら馬鹿みたいだが、馬鹿にする人もいないだろうし、滝自信もそれほど気にしていないだろう。


 何せ、下痢でここ、東京を救っていると言っても過言ではないのだから。


「うっ」


 そして、彼が落胆しながらも教室に向かおうとしていたその時だ。


 彼の腹部を容赦ない痛みが襲い直す。


「うぅ、もう何も出ないよ。ギュルルル」


 この連打には思わず愚痴をこぼす滝とその体であった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ