【1分小説】出来た彼女
今、僕の隣にはとても可愛い彼女がいる。
優しくて、愛嬌があって、僕を全肯定してくれる、僕には似つかわしくない彼女だ。
すれ違う人間全員が、振り返って彼女を見る。それがたまらなく嬉しい。
腕を組み、息荒く街を歩く。信号待ちの時間ですら愛おしい。
「ねぇ、次はどこに連れていってくれるの?」
首を傾げて彼女が聞いてきた。
「き、君の行きたい所、どこでもさ。どこに行きたい?」
彼女は少し考え、苦笑いして答える。
「あなたとならどこだって楽しいわ」
その答えに、僕は飛び上がりそうなほど嬉しくなる。
なんて良い彼女だろう。人のおすすめで僕達は知り合い、今こうして付き合えている。なんて幸せなのだろう。
そのまま僕たちは一日中遊び続け、日が落ち始めた。
「私、そろそろ帰らなきゃ」
彼女から、悲しい現実の言葉。
「え、き、今日はもう少し時間あるはずじゃ」
彼女は無言で首を横に振る。
「今日、楽しかったよ!!」
そう言って笑顔を見せる。
最後まで可愛らしい子だ。
「ぼ、僕も!!すごく楽しかった!!」
手を掴む。
僕の手に驚いた表情をしつつ
「えへへ、またね」
しっかりと笑顔で答える。
それを見て、僕も彼女に笑顔で渡す。
「これ、今日のレンタル彼女代」
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