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1−5 誘拐組織(2)

 夕飯と入浴の後に再びかの問屋らしき商家を探る。

勉強しないで良いのかって?

試験前に辻褄合わせるよ。

商家では出納帳を毎日まとめて主人に報告する。

だからこの位の時間で何か報告していそうだけど…

「今日の売上はこちらになり、今週の累計の売上はこちらになります。

 今月の計画からすると下回っておりますが、挽回は可能と考えます。」

「うん、丁稚の客回りを強化するように。」

「分かりました。」

「他に報告はあるか?」

「狐からウサギ一羽を捕まえたと報告がありました。

 今週のノルマはあと二羽となっております。」

「ウサギの代金でアリを買うからな。

 遅れ気味で主からお叱りを受けている。

 励む様に。」

「分かりました。」

商家の主人もお仲間の様だ。

でも、特に帳面に誘拐人数を記録する素振りもない。

そうなると例の捕らえた人達を閉じ込めている家の方に帳面などが

あるのだろうか?

そちらを見てみるが、もう真っ暗だ。

まあ、私には関係ない。

暗かろうが遠かろうが、意識した場所の光学情報と音声情報が得られるんだ。

暗いなりに見る事は出来る。

ボロ家の中には机があって、引き出しがある。

ここも上手く狙いをつければその中を覗ける。

隙間を通して、その先で視線を曲げて見る事が出来るんだ。

閉じた本の中を見るのは少し見辛いけど…

「9月21日 兎1

 9月24日 兎1」

人数だけは書いてある…

紙に書きつけておこう。

顧客リストとかないかな…

探してみるがそもそも紙とか本などは殆どない。

犯罪者集団だと学がなく文盲率も高いから書きつけておく事がないかもしれない。

商家を探るか。

主人は何か飲んでいる…ぷーんと酒が臭う。

匂い情報まで分かるなんて我ながら優秀だ。

他人には言えないけどね、

こんな風にピーピング・トム子さんやってるなんて…

番頭の方を見てみよう。

あ、何か書いてる。覗き覗き。

「顧客の文句に応対したボブが上手く対応出来なかった。

 私が代わって対応したが、顧客の機嫌を損ねてしまったのはまずかった。

 私の対応で少しは機嫌を直してくれれば良いが。」

真面目な事書いてるなあ。文句が多い客なんて蹴り飛ばして追い出せば良いんだよ。

番頭はぱたん、と日記を閉じてランプの火を消し、布団に入る。

日記を入れた引き出しに鍵をかけたが、となりにもう一冊何かある。

毎度毎度閉じてある本は見難いなぁ…

「8月22日 売 兎5

       買 蟻2」

蟻、って労働力だよね。

誘拐なんて無理までして買うって事は、他人に言えない仕事をさせる労働力だから、

暴力関係に使うんだろう。下手すれば奴隷兵かもしれない。

半年で60人くらいかぁ…反乱なら少ないけど、

他に使うには多すぎる。

一方、ウサギちゃん達は150人も売っている。

近隣からも拐ってくるんだろうけど、よく問題になってないね…

平民ばかり狙うからかな。

王都の治安は本当に当てにならないね。

顧客リストとかないのかな?

鍵付き引き出しには入ってない…

貸し馬車屋の方はどうだろう。

帳簿だらけだから探し様が無い…

そもそも、帳簿は鍵付き棚に入れてあるから怪しい帳簿は見分けがつかない。

とりあえず拐った人数と購入人数は分かった。

でも、これだと騎士団詰め所に持って行っても何の証拠にもならないよね。

誰が売り、誰が買う。これが分からないと捜査しようが無い筈。

何とかならないかな…


 その後も数日、商家、貸し馬車事務所、女の子を捕らえているボロ家を

探したが、それらしい帳簿は無かった。


 本日は短めですみません。

誘拐シーンとかあんまり書きたくないし…

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