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3−8 進展なし

 3日後にキャサリンはケイス伯爵の裏帳簿について報告していた。

ケイス伯爵は愛人らしきマリリンなる人物に大分金を注ぎ込んでいる様だった。

「その他の書類はまだ調査出来てないから、時間がかかるけど、

 ケイス伯爵とか、マリリンと連絡をとっている人間の監視とかをした方が良い?」

「いや、それは必要ならこちらでやる。

 だから君しか出来ない事を進めてくれ。」

グレアムが私に釘をさす。

「だから、関係ない組織とかを興味本位で調べてないで、

 重要人物の書類を優先しろよ!」

「はいはい。

 どうして男ってのはこうも説教が好きなのかね。」

「なんだと!」

「うちの長男が通学の時に馬車の中で説教をしたがるんだよ。

 それに似てるよ、あんた。」

ぐっ、とグレアムが言葉に詰まる。

キャサリンが嫌っている長男はあまり出来がよろしくないと

調査結果が出ていたから、

同類扱いされたくなかったんだ。

それは兎も角、次の報告も3日後と指定された。

人使いが荒すぎる。


 ちなみに、急に帳簿の調査が出来る様になったのは、

報告納期を前倒しされて、

これまで通りの調査では間に合わないと思ったキャサリンが

荒業を成功させたからだ。

キャサリンは直視した空間の情報を得られる。

多分データを受信しているんだ。

だから、逆にその指定した場所に魔力を送信する事が出来るのではないか、

と試してみたんだ。

結果、直視した場所へ魔力を送る事は可能、

だからそこから2マイルを走査する事が可能だった。

途中で魔力で曲げた場合は出来なかった。

つまり、直視と2マイル内の魔法は別の魔法なんだ。

そういう訳で冬の夜に窓を小さく開けて、

ケイス伯爵館に近い建物の壁に中継点を作って調べている。

部屋の中で防寒具を着る必要があるくらいだ。


 しかし、グレアムが煩そうだ。

どこに何があり、

どこまで調べたかメモをとって調査を進めておこう。

そうして3日間調べたが、それらしい帳簿、書類は無かった。

書簡なども調べたが、行動を指示する内容のものは無かった。


「寄親のモントゴメリー侯爵の書簡もあったけど、

 そういう指示をしているものは無かったね。

 ケイス子爵の館からはそういうものは出なかったの?」

「見つかっていたらそちらを捜査しているよ。」

キャサリンからはモントゴメリー侯爵の調査については

言い出したくなかった。

エディが距離について推測しているとしたら、

今、荒業で調査出来ている事を感づかれたくなかったんだ。

けれどエディは別の家名を出した。

「では、ラムゼイ伯爵の調査をしてくれないか?」

そう来たか。幹線道路を嘘の理由で封鎖し、

人身売買をしていたフレイザー男爵と付き合いのある家だ。

ただし、私はその事は知らない事になっている。

一度エディから聞いたが、あれだけで覚えていたらおかしい。

「ラムゼイ伯爵はどういう理由で調査が必要で、

 何を調べたら良いか教えて?」

「人身売買をしていた疑いのあるフレイザー男爵領と面しており、

 付き合いもあるらしいんだ。

 この人身売買ルートの黒幕が知りたいんだ。

 また、一時幹線道路を封鎖していた理由も知りたい。」

「人身売買ということは蟻とウサギを気にした方が良いんだね。」

「まあ、他にも符牒があるかも知れないけどね。」

「分かった。

 ところで、貴族街の地図が欲しいんだけど。」

「今度用意するよ。

 あと、ラムゼイ伯爵館については簡単な地図を書こう。」

さらさらとエディが簡単な地図を書く。

ああ、ラムゼイ伯爵の方がケイス伯爵より金持ちなのかね。

侯爵家や公爵家に近いところに館があるよ。

この、微妙に距離が伸びたところで私が調査可能かどうかも

調べようっていうんだね。

仕事をさせようってんならこちらの調査とか

腹の探り合いみたいなのは止めて欲しいけどね。


 ラムゼイ伯爵の館は問題なく調査出来た。

寒いけど屋根の上にジャンプして見れば、

ラムゼイ伯爵館の近くの館の屋根が見えたんだよ。

ただし、彼は一度本拠地の捜査を受けている。

だから用心深くなっていて、不審な書類は見えるところにはなかった。

これ、報告しない方が良い気がする…

私の能力なら隙間から中を見れるから分かったんだが、

床板を一枚剥がしたところに書簡を隠していたんだ。

但し、送り主はゴースト某となっていた。

用心深い上司なんだろう。

なにやらコードネームが多くて意味が分からない文章になっていた。

そういう訳で、頼まれずともフレイザー男爵館も調べてみる。

やはり床下に書簡があるが、直接の指示はなさそうだ。

ただし、叛意を示す文章がある…でも上が分からないと意味がない。

蜥蜴の尻尾が切れるだけだ。

 文字数が少なかった為、明日用の頭の部分をこちらに持ってきました。

変なところで切れているのはそのせいです。

王宮側が本気で行き詰まってるので新しい家の名前が出てきません。

作者が行き詰まっている訳ではないのです。

でも、そろそろ尾行している仲間が一人死ぬくらいのイベントがないと

飽きてきますねぇ…

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