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3−3 繭

 スープの器を店員に返す。

そして能力で騎士団詰め所を探す。通報する為だ。

西取水口は当然、王都の西の端だ。

その近辺は取水口監視の事務所があるが、

そんなところに上水道内の不審物を通報したら、

むしろそんな事を言い出す通報者が疑われるのは明らかだ。

平民街の西の外れ付近にある騎士団詰め所に行くか。

幸い防寒具を着ている。当然フードがある。

フードを被って通報したらすぐ逃げよう。


 そういう訳で平民街の西の外れの騎士団詰め所に入る。

「すいませ〜ん。」

「何か用か?」

「その、上水道の屋内貯水池に大きな虫の繭があるって

 噂があるんですが、調査とかしてますか?」

すると、中からこの場の司令官らしき身なりの良い騎士が出てくる。

「貴様、何者だ?

 上水道の貯水池は立ち入り禁止なのだぞ?」

「いえ、そういう噂があるし、今日の上水道に糸が流れてるって

 皆知ってるし。」

「貴様、何か知ってるな?

 おい、こいつを捕らえろ!」

疑われるとは思っていたが、いきなり捕らえるとは思わなかった。

それでもすぐ逃げるつもりだったからくるっと回って外へ出る。

逃走ルートはもう決めてあった。

ここですぐ裏に入り、ここで誰にも見えなくなる。

そして…

「どこへ行った!?」

「そっちを探せ!俺はこっちを探す!」

ふ。もう1/2マイル離れてるよ。


 とは言え、何だあれ。上水道を探るのが先じゃないのか。

そもそも糸が流れてるんだからまず調査しろよ。

と思って取水口を見る。

あれ、見知った奴がいるな。

フードを被ったままてくてく歩いていく。

護衛にも通達されているんだろう。

護衛達はこちらを見るが阻止しようとはしない。

一人の護衛がエディに耳打ちする。

エディとグレアムがこちらに振り向く。

「糸、見付かった?」

グレアムが低い声で言う。

「何を知ってる?」

「貯水池に何かあるんじゃない、って噂を通報したら

 捕まえられそうになったけど。

 何か通報を受けたの?」

エディが声を出す。

「どこの誰が君を捕まえようとした?」

「平民街の西の外れ近くの騎士団詰め所の偉いさん。」

エディが護衛を見る。

護衛が数人、走っていく。

「それで、糸について何を知ってるんだ?」

「朝、上水道の水に糸が混じってた事、

 貯水池に魔力を持った何かがあるって噂の事。

 そんな事くらいかな。」

エディが尋ねる。

「誰からそんな噂を聞いたんだい?」

フードで隠れていない口の端をにっと釣り上げる。

「誰でしょう?」

それは秘密、分かってるでしょ?

「それで、何があるんだ?」

「大きい繭。

 2〜3割が水に浸ってるから、このままだと腐って死ぬよ。」

「確かなのか?」

「川からの水門を閉めて、水量を減らして見てみればいいでしょ?」

エディは思案したが、

いずれにせよ糸の原因を確認しないといけない。

そして取水口の上流には糸が見当たらない。

最終的には貯水池まで調べる必要がある。

エディは護衛に役人を呼んでこさせて、

水量を減らして貯水池を確認する様に指示を出した。

「他に知っている事はある?」

「今朝、初めて糸を見たんだから何も分からないけど、

 普通に考えたら巨大繭なんてそうそうないでしょ?

 観察して文献を調べてみたら?」

「そうだね。そうするよ。」

役人達は水門を絞って水面を落とし、

ボートで上水道の貯水池に入っていった。

戻ってきた役人達によれば、推定30ftの繭があるとの事だった。

エディがフードの女、つまり私に言う。

「ありがとう。

 この辺をうろついていると不審な騎士に捕まるかもしれないから、

 早く帰った方が良いよ。

 護衛を二人付けよう。」

「家の2ブロック前で離れてよ?」

「分かってるよ。」

そうして後は役人や上位貴族の仕事となった。

キャサリンは一仕事が終わったので安心して家に帰った。

 思ってたより文字数が少なかった…

明日も少ないです。

どうしても切るところが決まってて。

日曜は詳細書けるように頑張ります。

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