優しい、オジさん
こっちの方を、見ようとしている。それは、私がしんどそうだから。そういうのに、素早く気が付いてくれる。昔から、そうだ。
悲しいとき、元気がないとき、直ぐに気が付いてくれた。
「フー子の、心の天気は直ぐ分かる。悲しいときは、アッ、心の雨が降りそうだなって、直ぐ分かるんだ。晴れのときは、見えるしな。とにかく、調子の悪いときも含めて雨のときは、匂いも感じる」と、オジさんは言った。
「オジさんて、お母さんみたい」
「フー子のお母さんの身体が弱くて、入退院を繰り返しているから、その分オジさんが気付いてしまうんだろうな」オジさんは、とてもいい人だ。
「オジさん…感謝してる」
「照れるな…大丈夫、お母さん元気になるよ。オジさんがフー子のこと、分かんなくても困らないぐらいにね」
私は、オジさんに抱き付いた。
終
心が、大事なときに支え合っている。