洞窟、信じられない
皆さんに信じられないモノはありますか?
作者は、編実が信じられません(現実逃避
ゴスッ!!
「ぐわぁぁ!!???」
ヘシオスの放った魔法により、オディールが壁に打ち付けられる。
だが、ヘシオスの使ったもう1つの魔法は効果を示さなかった。
ヘシオスの使った魔法は、攻撃魔法の『ウェーブショット』と回復魔法の『ヒール』。
だが、見ず知らずの男性へ使った回復魔法は、
「うそ。全然効いてない」
ヘシオスは驚愕する。
ヘシオスが使った回復魔法。
それが、全く効果を現していなかったのだ。
見知らぬ男性の斬られた足には何の変化もない。
「ハハハッ!バカめ!この刀できられた傷が癒えることはないんだよ!!」
上機嫌に笑いながら、オディールが回復魔法の効かない理由を説明する。
ヘシオスはその説明を聞いて憎々しげな表情をした。
治せない傷を見ず知らずの人に、おそらくではあるが自分のせいでつけてしまったのだ。
悔しさや申し訳なさが心の奥底から湧き上がってくる。
「うるさいっ!誰の所為だと思ってるんだ!!」
そう言ってヘシオスはオディールの剣を奪い取る。
そして、その剣をオディールの肩の辺りに振り下ろした。
そのまま四肢があったのであろう場所の根元に剣を突き刺していく。
オディールに回復させないためだ。
それからヘシオスは、魔法によってベットを作り、そこに身じらぬ男性を寝かせる。
そのままヘシオスの知る限りの回復魔法や、槐樹の魔法を唱えた。
それによって、少し症状が軽くなったように見えるが、全体から見れば微々たるモノだ。
「ごめんなさい」
そう言って、ヘシオスは男性に頭を下げる。
ポンッ。
という音がして、頭に柔らかい感触がした。
「大丈夫ですよ。あなたが謝ることではありません。あなたが助かりましたし、あなたの回復のおかげで私も助かりました」
男性は優しい笑顔を浮かべ、ヘシオスを落ち着かせるように声を掛ける。
男性としてはヘシオスを気遣っての行動だったが、気を遣われたことで余計にヘシオスの心は傷ついた。
ヘシオスは、自分の力のなさと惨めさを嘆く。
「……でしたら、私と一緒に来ませんか?」
そう言って、男性がヘシオスの顔の前に手を差し出してきた。
「な、何が、でしたら、何ですか?」
ヘシオスは、でしたら、という理由が分からず首をかしげる。
「あなたが余に引け目を感じているのは分かりました。ですので、私とともに来て、私の手助けをして下さいませんか?」
そう問いかける男性の顔が、ヘシオスにはとても輝いて見えた。
だが、その手を取ることは気が引けた。
なぜなら、目の前の男性が本当に信頼できるのか分からなかったから。
また裏切られるのではないか。
そう思う心がヘシオスの動きを止める。
現在四肢を切り落とされ、何もできなくなっている男は、シッカリとヘシオスの心に回復魔法では治ることのない傷を、残しているのだ。
「それに、私の傷を治せそうな人に、1人だけ心当たりがあるんです」




