洞窟、真実を知る
真実って、見る人によって変わりますよね!
でも、
真実はいつも1つ!
「サリーはあなたのことも報告してたんですけどね。その言葉は衝撃的でしたよ。他人を簡単に信じる能なしで、人を見る目の無い低脳。だそうです」
そう言って、オディールはクフフッと笑う。
それを聞いたヘシオスの顔は、とても歪んでいた。
理解が追いついていない。いや、本当は理解しているが理解したくないのだ。
ヘシオスは有名な学校には入れる程度には頭が良い。
だからこそ、オディールの言葉に嘘がないことを理解してしまうのだ。
だが、そんなことは理性が理解しても、本能は理解しない。
「なら、なんで、サリーは、僕のこと、を殺さなかった?」
心に平穏を保たせるため、必死オディールの言葉のあらを探そうとする。
だが、オディールはあらゆる質問に答え、ヘシオスの心をバラバラと壊していくのだった。
「あなたのような低脳は利用しやすいからですよ。この洞窟の管理はあなたに任せつつ、サリーはあなたを操るだけで良い。サリーは楽ができるからそっちの方が良かったんでしょう」
オディールの言葉が、ヘシオスのの心に突き刺さっていく。
あらを探すのを諦め、オディールの言葉が真実であること、それをヘシオスは受け入れた。
だが、だからといってヘシオスは、オディールに大人しく殺されるつもりはなかった。
「フンッ!」
ヘシオスは無理矢理腕に刺さっていた剣を引き抜く。
腕から大量の血液が噴き出すが、気にせずに脚の剣、Ο引き抜いた。
それから回復魔法を使い、駆け出す。
それをオディールはただ黙って眺めていたが、途中でヘシオスの行動に疑問を覚え、動き出した。
「アアアァァァァ!!!!!!」
ヘシオスは全力で走る。
魔法で脚力を強化し、追い風を作り出し、駆ける。
そして、ヘシオスは目的のモノに触れる。と思ったところで、
ガシッ!
オディールに腕を捕まれる。
そして、そのまま蹴り飛ばされた。
「勇者の持ち物が狙いでしたか。流石に危なかったですねぇ」
ヘシオスの狙いは、勇者の持っていた巻物だった。
巻物を開けば、新しい場所特性が手に入るはず。
そう思っての行動だったが、邪魔されてしまった。
だが、オディールはまだ巻物の存在に気づいていない。
ヘシオスは巻物に気づかないことを願いながら、立ち上がる。
しかし、ヘシオスの願いだとどくことはない。
「ああ。勇者はこんなモノを持ってたんですか。強力なモノの可能性もありますし、没収させて貰いましょう」
そう言いながら、オディールは巻物に手を伸ばす。
オディールが巻物に触れ、ヘシオスは勝利も生存も諦めた。
その時だった。
ピカッ!
と、何かが光り、辺りが明るいモノに包まれる。
ヘシオスの見る世界を、光が白く塗り替えた。
「ガアァァァァァ!!!!?????」
光が薄くなりかけたとき、絶叫が響き渡った。
その声は、先ほどまで聞いていたオディールの声によく似ているように感じられる。
だが、ヘシオスにはオディールを苦しめるモノが思い浮かばず、首をかしげた。
そして、オディールはわざと油断させるために叫んだのではないかと思い、警戒感を高める。




