洞窟、失ったモノ
いやぁ~。
感動的な再会ですね。
こんな再会をさせてあげるなんて、作者の心はなんと素晴らしいのだろう。
清すぎます。
ドォォォンッ!
大きな爆発が起こった。
そして、爆発の起こった地点であるサリーたちのいる場所の天井が崩れる。
「・・・・・・・・・」
ヘシオスは、何も言えずにただ呆然としていた。
いや、ただ単に全身が麻痺しているだけといえばそうなんだが。
呆然としているのは確かである。
ヘシオスだってサリーというしばらく身近にいた仲間のような存在が、目の前で殺されたのだ。
しかも、仲間だと思っていて複雑な感情があった勇者である少年に。
しばらくヘシオスは動けないまま考えていた。
どうしてこんなことが起きてしまったのか、とか。
どうすればこんんあことにならずに済んだのか、とか。
そんな答えの見つからない問いを考えている撃ちに、ヘシオスの体の麻痺が解けてきた。
「どうしよう。サリーたちはがれきで埋まっちゃったし」
死んだ魚のような目で崩れた瓦礫を見ながら今後のことをヘシオスは考える。
これ以上今いる場所を探索する必要もない。
自分も殺される可能性があるから、少年を探す必要もない。
今まで作り上げてきた洞窟の管理もどうでも良くなっていて、死ぬわけでもないから手をつける必要もない。
「とりあえず、元の場所に帰るか」
ヘシオスは自分が転生したときにいた場所へと戻る。
洞窟内の管理をするための場所。
だが、その大変だった記憶も今は悲しいモノへと変わってしまった。
ヘシオスは今までの暇つぶしの努力は必要だったのだろうかと考え出した。
ボロボロな精神状態で戻ると、見覚えのない人がいた。
その人は画面を手に持ち、高速で画面を連打している。
ヘシオスは恐る恐る声をかけた。
「あの、どちら様でしょうか?」
その声はとても弱々しい。
「ん!?私以外のいらっしゃったのですな。私、オディールと申します。以後お見知りおきを。それで、あなたは?」
オディールと名乗る男は、胸に手を当ててそういった。
銀色の長髪。緑色の瞳。まるで医師のような白衣。
左目には片眼鏡をかけていた。
顔と身長からして、40代前半くらいだと思われる。
「ああ。ごめんなさい。僕、ヘシオスと言います。……本当はあと2人いたんですけど」
そこまで言って、ヘシオスは顔を曇らせる。
初めて会った相手にΟ、仲間は死んだなどといって不安がらせる筆意用はない。
オディールとて、ここには来たばかりでまだ落ち着けていないようだし、さらに精神的な負荷をかける必要はないだろう。
というのがヘシオスの考えだった。
しかし、
「あのヘシオスさん。疲れた顔をされてますが、何かあったのですか?」
オディールが優しく問いかけてきたのだ。
「い、いえ。何もないですよ。ちょっと疲れてるだけです」
最初は抗、ヘシオスだってごまかしたのだ。
だが、
「ヘシオスさん。黙ってても心は晴れませんよ。私に話してみて下され。話してみるだけでも大分変わりますぞ」
オディールの食いつきは激しかった。
どれだけごまかそうとしても逃げることができない。
約2時間の争いの末、ヘシオスは敗北したのであった。
「……そんな重い話されても困るんですけど」
これが勝者の言葉。
そして、
「あんたが話せっていったんだろぉぉ!!」
これが敗者の言葉。




