洞窟、アンデットと戦う
質問。
1番厄介なモンスターって何だと思いますか?
「レ、レイス面倒すぎる!魔法さえ使えればなぁ!!」
ヘシオスが、憎しみを込めて言う。
そして、次々に矢を放っていき、剣では切ることのできない、精神体のレイスを殺していった。
ヘシオスの持つ弓矢は、魔力によって矢が作られるので、物理攻撃の効かないレイスにも効果があるのである。
ついでにヘシオスが買ったサンダーバードの放つ電撃も魔法の1種なので、レイスに効果がある。
「ああぁぁぁ!!!手が疲れる!!」
ヘシオスは、単純作業で疲れてきた腕を一生懸命に動かして矢を放つ。
矢の数本は、たまに迫ってくる魔族に向かっており、魔族の方も迂闊に近づいてこれていない。
ヘシオスは全方位に注意しながら、できるだけ敵の居ない場所に移動しつつ、レイスを打ち落としていく。
少し時間は掛かったモノの、特に代償もなしにレイスの殲滅には成功した。
「後は、ゾンビかぁ。ゾンビは面倒なんだよなぁ」
ヘシオスはゆっくり近づいてくるゾンビを眺めながら、ため息をついた
ゾンビは移動速度が遅いモノの、非常に厄介な性質を持っている。
それは、痛覚がなく、倒されるまで永久に襲って来るという特徴だ。
倒すには、特殊な魔法で浄化するか、肉体を完全に動かなくする必要がある。
どこかの世界のように、朝日に当てたり、頭を潰すだけでは死なない。
脳が潰されても、首から下がゆっくりと近づいてきて攻撃してくるのだ。
部位ごとに切り離して、骨を1つ1つ潰すことで、どうにか倒すことができる。
「ばぁ!!!」
ヘシオスは、くぐもった声を上げながらゾンビに斬りかかる。
ゾンビは腐っており、独特で刺激的な、腐臭がしている。
ヘシオスは腐臭を嫌がって鼻を塞いでいるため、叫ぶ声がくぐもっているのだ。
ただ、鼻を塞ぐことは間違ったことではない。
匂いなど気にせず、戦いに集中するべきだと考えるモノも居る。
では、敵に斬りかかろうとして息を吸い込んだとき、辺りに悪臭が漂っていることを想像して欲しい。
そうなれば、一瞬かも知れないが動きが止まってしまうはずだ。
動きが止まるよりは、少し手を塞いででも素速くて迅速な行動をとるべきだ。
ヘシオスは適切に距離をとりながら攻撃していく。
「隙ありだ」
突然、後ろから脅すような声がする。
直後、横に飛んだヘシオスの脚を、魔法がかすめた。
ただ、反撃としてヘシオスは剣を相手にかすらせている。
ヘシオスは剣を杖に使って立ち上がった。
「ぐぬぅぅ!!」
斬られた魔族が歯ぎしりをする。
どうやら剣が目に入ったらしい。
ヘシオスは魔族から注意をそらし、ゆっくりと近づいてくるゾンビに目を向けた。
「グウァァ」
「アアァァァ」
まだまだ戦いは、終わりそうもない。




