氷と炎
「そう言えば」
「なんだ?」
「隣山の神社にいる霊妖鬼に協力して貰う?」
「確かに麗々のいいかもしれないが後ろ楯が...」
「う~ん...」
「夏風邪だねー」
麗々は神奈に看病して貰っている
「大丈夫!?麗々!」
麗々の枕元に少女が座っている
「たぶんね!それより季奈、氷霊は...」
「麗々が大変な時に何を言ってるんですか!」
「そうね、一種族の生死より麗々が大切ね!」
この二人は属に言う親バカだ、麗々の為なら炎の中でも行ける
「あいつまた毒注射されたのね」
「まあな、ここで季奈様はまだ未完の器だからここで傷つけられない」
かわいそうに、そう目々娘は思った
そんな会話をしていると氷湖についていた
「とりあえず氷霊の安否が心配だ、見に行くぞ」
「なんですかお前らは」
氷湖の上空に美しい女性が浮遊している
「私たちは霊妖鬼よ、あんたらを助けにきたのよ」
「そうでしたか、幼い氷霊たちが溶けはじめてしまっているのです」
「あとどのくらい持つ?」
「一日位ですかね」
その時、氷霊の更に上空から妖精が降りてきた
「ふははは!あたいは最強の妖精、バーニだ!」
「何よ、黙っててくれる?空気読めないわね」
「お前らはこの暑さを戻そうとしてるな!倒してやる!」
バーニは手に持っている木の棒に火をつけた
「!まずい、火を消せ!」
氷霊は焦った
「嫌なこったい!」
「言葉で分からないか...行くぞ、目々娘」
「ダルいわね...」
目々娘と勇利はジャンプしたが、バーニには届かない
「姑息ね...」
「私がやります」
氷霊はバーニにつかみかかろうとしたが
「くっ...さすが妖精ですね...すばしっこい」
「残念でしたー!氷霊ごときはあたいにかないませーん」
バーニは煽るように手をふった
「はぁっ!」
氷霊は氷を作り出して、バーニに投げつけた
「ムダぁん!氷はあたいに届く前に溶けちゃうわ!」
氷霊は氷をいくつか投げている
「ムダムダ!そんなんで...ぐえっ!岩っ!」
「油断大敵だな」
氷の中に岩を混ぜて投げていた為、油断したバーニに岩が命中した
その岩が当たったせいでバーニが墜落した
「くっそ...なめや...」
その時、バーニの肩に手がのった
「痛いの好き?」
目々娘はバーニに問う
「あ...」
「痛いの好き?」
「火ぃ消します...」
「私、痛いの好きか聞いてるのよ」
「嫌いです...」
「じゃあ良かった」
パァン!と目々娘がバーニの頬を叩く音が響く
「いったい!」
「目々娘、火を消せばいいんだ、叩く必要はない」
「そう、消しなさい妖精」
「嫌、それ...」
またパァン!と音が響く
「消しなさい」
「はっい!ごめんさい!」
バーニは枝をふって炎を消したが
「「「「あ」」」」
火の粉がとび、周囲の草にうつった
「バカ野郎!ヤバイ、溶けてしまう!マセツ!」
「はい!氷華様、」
「わかるだろう、消しましょう!」
氷霊とその部下は火を消し始めた
「あほ!」
目々娘はバーニを地面に投げ捨て、蹴り始めた
「痛い!死んじゃう!」
「じゃあ死ねっ!」
「止めてやれ目々娘、悪気は無かっただろうし」
火は消え去った
「くっ...エーデル、子供たちはどうですか!」
「氷華しゃま...急速に溶けはじめて...」
その言葉が口から出た瞬間、目々娘はバーニを蹴り飛ばし、勇利の方に飛ばした
そして勇利バーニを受け止めて、注射を打った
「うっ...すー...」
バーニは眠った
「どうするの?」
「...最終手段に入るしか...」
「氷華様..」
「私は今、氷霊の皇女出はなく時代の犠牲です」
「氷華しゃま...」
「任せましたよ、『ザ・アイスワールド』!」
周囲は寒さが蔓延した
「寒...」
「目々娘、早く行くぞ」
「え?」
「氷霊はあと三時間位しかもたないだろう」
「...お願いします、人間様」
氷華の部下は目々娘の手を握った
「頑張ってください、目々娘さん、勇利さん」
「「はいっ!」」
二人は500m位先の寺に向かった
「ごめんな、レピスン」
那岐はこっそり勇利から盗んでいた睡眠薬をレピスンに打った
「....私はやるよ、芽依」
那岐は寺を見つめた