神が望んだ五つ目の季節
目々娘は『霊武神社』に向かった
霊武神社名物、『千段階段』が目々娘を阻む
「てかあいつ...この変な時期に眠ってんのか...」
霊武神社の霊妖鬼に協力を求めに行った
階段を登り終え、神社の門をあけた
「....うわ」
そこにはスコップを持って、雪の上に倒れている少女の姿があった
「麗々....寝るなー起きろー」
麗々はいびきをかいて寝ている
ふと、回りを見ると空の注射器があった
「....あー...たぶん他の霊妖鬼も同じね」
すると、神社の本殿から小さな女の子が現れた
「神奈、こいつどうしたの?」
「んー...分かんないなぁ...目々娘ちゃんは?」
「分かんないわ、それより『神人核』って知ってる?」
「知ってる知ってる、人間の心臓に埋め込むと一時的に与えた神の力を使えるようになるものよ」
「あんたも作れるの、一応元神でしょ」
「もちろん!私の与える力は...」
「そんなのはどうでも良いのよ、それを私に埋め込んだ?」
「知らないよー」
「....この桜を見てどう思う」
「う~ん...『あいつ』のやりそうなことだけど理由は分からないわね」
「心当たりはあるのね」
「うん、確証、戦うつもりならやめといた方が良いね」
「あんたの知り合いならそいつは『神』の類いね、それより麗々をそんなとこで寝かせていたら風邪...馬鹿は風邪ひかないか」
「持ち上げられないから運んできて」
麗々もかなり華奢だが神奈は6歳くらいの見た目、力しかない
「あいよ」
目々娘は麗々の首根っこをつかみ本殿に投げ入れた
ドシャっと音をたてて転がった
「ありがとー」
「こちらこそ」
神奈は目々娘にアメを渡した
「じゃあ行ってくるわ」
「気を付けてねぇ」
振り返り、桜の木を見てみると更に成長した木があった
「....やりますか」
目々娘は貰ったアメを食べ、門を閉めた
「よっと」
目々娘はジャンプして階段を降りた
それから目々娘は戸惑う妖精や揺れる木々達を無視し桜の木に向かった
「....あんたが黒幕ね」
森を抜けて、少し開けた場所に生えている桜の木の麓に、長い白髪をなびかせ、空を撫でるように桜を操っている女性がいた
目々娘は思った、お姉に似ていると
「目々娘、来たわね」
「随分私の名前広まってるわね」
「さあ、返しなさい、私が作り、八千代にあげた『神人核』を」
「知らないわよ、私そんなもの知らないわ」
「ふざけないで」
女性がそう大声で言った時、周囲の木々が紅葉で染められた
「じゃあ貴方の心臓のそれをどう説明するの?」
「ああ?どっかの神に知らんうちに入れられたんじゃない?」
女性が指をパチッと鳴らした瞬間、私の目の前に桜の木が生えた
「ふざけるのも大概にしなさい、あなたなんか直ぐに殺せるわ」
桜の木が何度も私の命を狙う
「そう?殺せるの?」
そう煽った瞬間、左胸に桜の木が向いた
「もっとも、今でも出来るわよ、やってみる...ふーん」
女性の回りには桜の木と調度同じ刀があった
「もっとも、私にも出来ることは自慢にも、誇りにもならないわよ」
「....三尾地那古、聞いたことない?」
「さあね、そんなふざけた名ま...いや、聞いたことある」
目々娘はこんなことを思い出した
暑い夏の日、目々娘は散歩していた
『お姉さん誰?』
神社の中に知らない女性がいた
『おっと....ふふっ、貴方のお姉さんの知り合いよ』
『ふーん名前は!』
『三尾地那古よ、忘れないでね』
『うん!』
「....ああ、思い出したわ」
「そう、いつか会ったわね」
「てか、私がお姉の心臓からその何とかを奪ったと思ってるわけ」
那古は桜の木を引っ込めた
「そうよ、でも勘違いかどうかは殺して見るわ、最悪、勇利に頼めばいいし」
「でも殺されるのは嫌ね」
「それでも殺すわよ」
三尾地は目々娘に手の平を向けた
「そう言えば薬では命を吹き返すことはできないんだった」
「じゃあ尚更ね」
目々娘は刀を持った
三尾地は体の周りから木の葉を出した
「くっ!...普通の木の葉じゃないわね」
「そうよ、当たれば死、そう思いなさい」
言われなくてもそう直感した目々娘は刀で弾いた
命中、とは言わないものの無数の木の葉を弾くことは出来ず、数発かすった
そのたび目々娘には、『激痛』と言うべき物が襲う
次当たれば本当に死ぬ、そんなことを毎刹那思う
「意外とやるのね!じゃあとどめよ」
そう宣言した三尾地の後ろから太陽が昇る
「なっ....ぐっ!」
体が鉛のように重い
「夏の日差しと冬の寒さは人を動かさせないのよね」
重い体の中、目々娘は木の葉を弾いてく
しかし、数回致命傷とは言わないまでに刺さっていく
パキンっ
そんな音が響いて刀が折れた
「あっ...」
サクサクと体に木の葉が刺さる
「ふふっ...さあ『神人核』を...」
その時目々娘の左胸が光った
「なっ!」
『なぁ、人間』
「お前は...」
さっきまでの痛みや血がない
『君に反逆心はあるか』
「まず自己紹介しなさいよ」
『ははは!そうだな!私は...そうだな...〝反逆神〞とでも呼べ、目々娘』
「そうね、じゃあ反逆神、ここは何?」
『ここはお前の心の中だ』
「はぁ?」
『私は私自身が君にあげた神人核だ』
私は反逆神の言葉に聞き入る
『もし、君に〞勝ちを掴むための手〞や〞目的に進む足〞があるなら私の力を貸そう』
「手や足なんて誰にもあるわ」
『付いているだけ手足なんて飾り以下だ、何かを掴み、何かに進むから手足になるんだ』
反逆神はもう一度問う
『君にそれはあるのか』
その言葉が私の中でこだまし、本当に私にはあるのか?といった問いが更に生まれる
安易にイエスともノーとも言えない『君にそれはあるのか』と言う重い言葉
私から出た言葉は軽いはい、でもなく軽いノーでもない
「ある、私にはその手足が!」
一言一言に自分の最大限の思いをのせた
『よろしい!行け!どんな困難にも立ち向かう姿勢を見せろ!』
目々娘の左胸は黄色に輝いた
「違う!八千代とも!この光り...『あのお方』か!」
目々娘は立ち上がり、体を再生した
血は体に戻り、刺さった木の葉は全てとんだ
「ふぅ...さあ、やるわよ、三尾地」
目々娘は一瞬で近づき、三尾地を殴った
しかし三尾地はそれを手で受けた
それはまるで隕石の衝突...嫌、そんな生ぬるい言葉では表せない
「くっ...」
その衝撃が一発、二発、と三尾地に刻まれる
間違って地に命中しようものなら地球は数発で崩れ去る
地球のレベルを越えたもの同士がぶつかり合う
「『三尾地ぃ!』」
「やっぱり貴方のでしたか!嫌、お前か!『ゼロ』!」
三尾地は目々娘の腕を掴み、桜の木を生やした
その木は目々娘の顔面に命中した
「ぐっ...うおらぁ!」
目々娘は刀を作り出し、三尾地に刺した
「がっ!ぐはぁぁぁぁ!」
その刀は『死』の具現化のごとく、命を奪う鋭さだ
三尾地は後ろに倒れ、距離を取った
「はぁ....これだけは使いたく無かったよ...」
三尾地は天に手を掲げる
「ハルマゲドン!」
ドゥンと、地響きがなる
「....」
目々娘が空を見上げると、地球より大きなエネルギー弾が落ちてきた
「これはあなたを殺すだけの弾、死になさい!」
地球の上にいる限りあれは私を殺す、目々娘はそう思った
「『その手足はなんの為にあるんだ!』」
「私のっ!手足は!」
目々娘は叫ぶ
「掴み!歩む為に!だからここで止まるわけにはいかないっ!」
目々娘はハルマゲドンに手を向ける
エネルギー弾は掴めない、目々娘も『反逆神』も分かっている
しかし、『掴む』と決めたからには『掴む』か『掴めない』しかない
嫌、目々娘には『掴む』しか見えない
「うぉぉぉぉ!」
「なっ!」
目々娘はハルマゲドンに触れた
「止まった...嘘っ!」
全身が『止めろ』と嘆く
しかし目々娘は自分の体を無視し、自分の事を信じる
骨々がパキパキと悲鳴をあげ続ける
ハルマゲドンは止まっているがその力は絶大
「『信じろ!君を!』」
「うりゃぁぁぁぁぁっ!」
大きな音をたててハルマゲドンは消滅した
「なに...」
目々娘は一瞬で距離を詰めて、拳に全てを込める
「もってくれぇ...私の手足っ!」
「くっ...はぁっ!」
三尾地も桜の木を生やそうとしたが遅い
「オラァァァァァ!」
無限、そんな生半可な数字じゃ表せない両の拳が三尾地を襲う
ガードも出来ずに無防備なまま拳を喰らう三尾地
返り血で目々娘の視界はほぼ見えないがそれでも全力を正面にぶつける
普通の種族なら数億回以上の死を体験しているだろう
最後の一撃がはなたれる
「オラァァァァァッ!」
「ぐはぁぁぁぁ!」
三尾地は後ろにぶっ飛び、巨大な桜の木を貫通した
直径一キロ以上はある桜の木をまるで紙のように貫いた
「はぁ...はぁ...」
目々娘は倒れたが
「よっど...ふぅ...派手にやったな」
それを勇利が抱え、注射をした
「三尾地様...死ななくて何よりです」
勇利は三尾地の場所まで移動して、注射をした
「意地だけで生き残りましたか...『神人核』なんかでは表せない神の力とはこの事でしたか」
「うわぁーすごいことになってるー」
レピスンは三尾地が倒れ、枯れた木々をみて関心した
「鬼、目々娘を運んでくれ」
「良いぜ、勇利」
那岐は目々娘を持ち上げた
「神社に案内してくれ、妖精」
「オッケー!」
んもぅ...書くのつかれたわよん
疲れすぎて口調がヘカちゃんになっちゃったわよん
このままヘカちゃんに呑み込まれる前に言いたいこと言うわよん
次回最終回&○○○○
この世界の真相が明らかに...
そして目々娘は..わよっ
わよんわよん!わよんわよん?わよんわよーん
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