逆鱗
「助けてくれー!れいようきー!」
元気な声が神社の中に響く
声の主は目々娘の寝ている部屋のふすまを開いた
「ようこそ..『八千代台神社』へ、霊妖鬼にようなら少し歩いた所に『霊武神社』に行きなさい」
「えぇ....ここに最強の霊妖鬼が居るって...」
「それ『霊武神社』のことね、きっと麗々って奴が居るわよ」
目々娘は声の主に背を向けて眠った
「意気地無し!いぢわる!」
「なんとでも言いなさい」
「私は鬼にやられて困ってるの!」
「あっそ」
「つっ...レピスン・フォーレライ、月見山の12番区域に居るから来て...」
レピスンはとぼとぼと歩いて帰った
「あー、朝早いのに嫌ねぇ...」
しかしとある言葉が目々娘の中にこだました
『困ってる者には慈悲を向けなさい、目々娘』
『はい、お姉』
『ねぇ、私今めっちゃ良いこと言ってない?この言葉繋いでこ!」
目々娘は思った、「やるか」と
その頃レピスンは
「もう止めて!」
「嫌だ!」
木陰から鬼に向かって叫んだがあしらわれた
「くず!ばか!しね!」
「なんとでも言いな!」
「くそ!ゴミ!恥さらし!」
「ああ!?」
鬼はレピスンに向かって歩いた
「なんでもじゃないんだ!」
「やってやるぞ!」
「ひー!お助けー!」
鬼は正拳突きで木を貫いた
「ふぁ!ごめん!何が嫌だったのぉ!」
「全部だ!」
「やーいくずーごみー劣等生ー出来損ないー」
目々娘が鬼に向かって言葉を投げ掛けた
「助けにきてくれたの!」
「来たかっ!霊妖鬼っ!」
「アバ○レー」
「ああっ!」
「違うわよ、私は霊妖鬼じゃないわよ、ただの人間、ただの今原」
「今原!やっぱり最強の!」
「ふっ、来たか!今原八千代!」
「どうでも良いけどとりあえずその妖精ね言うこと聞いてあげて」
「そうだよ!」
「嫌だ!」
「じゃあ頑張って妖精、」
私は帰ろうとしたが
「まてっ!」
「何よ?鬼ごとき」
「謝れよ!私に暴言を浴びせた事」
「そう言えば鬼はプライドが高かったわねー」
鬼は拳を構えている
「さあ、謝りたくな...」
「すいませんでしたぁ」
目々娘は土下座した
「「ええ...」」
鬼とレピスンはあきれた
「何よ、普通は問題を起こしたら謝るべきよね」
「いやぁ....そうだけどさぁ...」
「妖精、あんたも謝りなさい」
「....所詮は雑魚だったか...」
鬼は拳をといた
「知らないわよ、霊妖鬼なら、お姉ならあんたぶち殺してたとおもうわよ」
「お姉...どーせそいつも雑魚何だろ!最強の種族の鬼には勝てないだろ!」
その時、空気が凍った
「誰が雑魚?」
「お前だ!」
「その後、誰が雑魚だ!」
「うっ...だから最強の霊妖鬼が...」
目々娘は横にあった木を破壊した
「....お姉を馬鹿にするほどの実力があるかみてあげる」
「面白い!私は那岐!かかってこい!」
「うるさい、鬼風情が」
那岐と目々娘は同時に地面を踏み込んだ
拳と拳がぶつかり、周囲の木々が揺れ動いた
「拳が割れなかった事は褒めてやろ...」
「こっちの台詞よ、すごいわね」
那岐の拳から血が流れ落ちた
目々娘は拳を開いた
「...石、だとっ!」
「卑怯よね、分かるわ」
地面に落下してる石を蹴り、那岐の腹にぶつけた
「ぐっ!」
石が那岐の腹に刺さり、出血した
「油断よ」
目々娘は那岐の襟を掴み、顔面を殴った
「がはっ!」
那岐の吐いた血は目々娘にかかった
「悪魔だ...」
レピスンは攻撃の手を緩めない目々娘をみてそう呟いた
「ギブアップ?」
目々娘は攻撃を止めて、そう問う
「まだ....だっ...」
「あっそ」
目々娘は那岐を大木に投げた
大木にぶつかり、那岐は地に落ちた
しかし目々娘は地面に落ちている石をもち、那岐に向かって投げた
「あぶなぁーいっ!」
レピスンがそう叫ぶと石は空中で止まった
「はぁ、はぁ、間に合った」
「貴女の能力ね、」
「そう...『just fix』、止めるだけ、それ以上は出来ない」
「それだけね、あの鬼を殺すためならあんたも殺すわよ」
「っ...」
「もうギブアップだっ....目々娘」
「....仕方がないわね」
そう言い切ると那岐は気絶した
「もう止めようよ....目々娘...」
「あっそう、もうどうでもいいわよ」
目々娘は帰ろうとしたが
「....桜...」
桜も咲いてないのに、冬なのに
「その人、いや鬼、大丈夫か?」
木と木の間から白衣を着て、タバコを吸った女性が現れた
「鬼には...この薬か」
女性は那岐に注射した
「ねぇ、あんたこの桜何かわかる?」
目々娘が近づいた瞬間、女性は首もとにメスを当てた
「....あんたが犯人ね、この異変の」
「鋭いねぇ...流石は霊妖鬼、今原目々娘」
桜と雪が入り乱れる中、一瞬の油断も許されない時間が続く
節分に間に合わなかったぁぁ!
因みに那岐にはマメとか効くのかなぁーって
効いたならこの世界ではマメは必需品だね
あーネロちゃまのおマメ..(殴