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春夏秋冬  作者: 水白イリヤ
13/22

溶けない氷

家に帰ると当然のように三尾地がいた

「おかえりなさい~」

「はぁ...そう言えばあいつらは?」

「神領に放置してきた、あそこが一番安全だしね、ついでに一番ヤバイ睡眠薬を注射されたレピスンも」

「そう、じゃあ早く帰れよ」

「すごい辛辣ね!私意外とメンタル弱いわよ」

「なんか用でもあるの?」

「これよこれ」

三尾地は一本の注射器を出した

「...再生薬?」

「いえす」

「勇利に使ってやれば良かったんじゃない?」

「私もそう思うけどきっと勇利ならあんたに渡してたと思うわ」

一応医者の紛い物だったか

「じゃあ使うべきね」

私は自分の腕に薬を注射した

「それと冬返して」

「ん、」

凍った左手をつきだした

その手を三尾地がふれて氷はとけ、冬の文字が消えた

「あと布団しいてくれない?」

「は?泊まってく気?」

「え~だって色々やらかして全神様と会うの怖いし」

「....じゃああのお酒また寄越して」

「え、もうない...」

「嘘よね?」

「...少しよ」

お酒で忘れることが出来たらなね、できないから美味しいお酒が欲しいのよ




「はぁ..はぁ...」

「火の中でどうしたんだ?焼身自殺か?」

「....あながち間違いじゃねぇな...」

「貴女、名前は?」

燃え盛る炎の中で会話する二人の少女たち

「名前?さあね、思い出せねぇ」

「そうですか」

「あんた、氷みたいな女だねぇ...私とは絶対にあわねぇ...」

氷のような少女は少し悩んだ

「そうなのね...私に残ってるのね、氷が」

「おまえは...人...霊...」

「どっちでもないかな、貴女と同じ」

氷のような少女は微笑んだ

「名前」

「あっ?...」

「焔なんてどうですか?とてもよい名だと私は思います」

「ふっ...センスねぇなぁ...だから気に入った」

焔は笑った

それにつられて氷のような少女も笑った

「少しの間にでも名前が貰えて良かったぜ...」

焔は目を瞑った

「全く...私は目の前で消え行くものを見るのは嫌いなんだよ...」

氷のような少女は焔にふれた

「...『不変氷』...これから宜しくな焔」

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