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竜の刻印 ~異世界武芸帖~  作者: ペリドン
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第1章 第38話 コーカス村攻防戦 第2幕 変貌

 東の壁に戻るダレン。そこにアメリアが現れダレンを問いただす。


 「先程村の中から縄ハシゴで出て来られましたわね少佐?」


 「……」


 「少佐!!」


 「少し時間をくれ、その上で返事をする。それまでは村への攻撃は中止だ」


 「では、この事を中佐に報告を…」


 「ま、待ってくれアメリアさん。ほんの僅かな時間でいい、キミはこのままここにいてくれ」


 それから数十分経過して、ダレンはアメリアに話かけた。


 「実はな、クレア近衛副長とアギトという男性、それとリリーナ姫と名乗る女性に会ってきた」


 「裏切るつもりですね少佐?」


 腕を組み難しい顔をするダレン。


 「確かにそれも考えたんだが何か変なんだ?」


 ダレンを注意深く観察するアメリア。


 「あのリリーナ姫を名乗る女性の仕草が田舎臭いんだ。あとあそこにいたクレア近衛副長もアギトと名乗る男性も怪しいんだ」


 「どういう事ですか?」


 「言葉でいい表すのは難しいな。まずリリーナ姫に関してだが、最近自分が姫であると分かったらしい。だからなのか振る舞いとか、物言いとかとても高貴な人物とは思えない。まぁ、田舎育ちだから仕方がないのかもしれないが。それに王家の剣を見せてもらったが、私にはそれが本物かどうか確認する手立てがない。なんせ王剣など見た事がないからな。


 私はリリーナ姫様を拝謁する事で、その矢文の内容を確認しようと思った。そして、それにより中佐を裏切るつもりでいた。しかし、かえって中佐の言い分が正しい様に思え迷っていたのだ。


 あとクレア近衛副長も宮殿では数回見た事はあるが、彼女の事はよく分らない。コネリー大臣の娘を強調し何か嫌な感じの人物だったな。アギトなる男性は確かに頭は切れるが、私の事を最後まで疑っていた。端的に言うと全てが胡散臭いんだ。


 向こうは私を仲間にしたかったみたいで、やたらと勧誘してきた。何やら打つ手なしの様な感じだったな。私の中でくすぶっていた何かが矢文を読む事で合点がいったのだが、彼女達に会った事でかえって疑わしくなってしまった。


 私は彼女達の言い分を聞き頷いていると、私が仲間になったと思ったんだろう。手の打ちを明かしてくれた」


 アメリア。

 敵との接触に今一つ手応えを感じてないみたいね。ならば敵の内情を聞きだす事が出来るわね。

 「では少佐、村の様子はどうでしたか?」


 「いいだろう全てをキミに話そう。キミも一度大道芸人で潜り込んでいたから分かるだろう?」


 バツの悪い顔をするアメリア。


 「は、はい、存知ております」


 「まず西の壁だが、かなり矢が飛んでくるので修繕は進んでない。東は私があまり攻撃をしてなかった為、西よりは修繕は進んでいた。だがアギトが前線に戻るので西の壁の修繕も進むだろう。建物には水をかけ防火に務めていた」


 「他には何かありませんでしたか?」


 「そうだな、これも話すか」


 「何です?」


 「我々が東と西の水堀を埋め壁に穴を開けたら、そこに尖った木を積んだ荷車を差し込んで我が軍の進行を食い止める」


 「その話をもっと教えて下さい」


 「それはいいが、この話をしたら私への不信感を持たないで欲しいんだが?」


 「分かりました。それならば少佐もこれからは村への攻撃を本格的にお願いします」


 「分かった。それと少尉がキミに失礼な事を言ったようだな。彼に注意をしておくから許してやってくれないか?」


 「分かりました。むしろ少佐が村の中で敵情視察した事がかえって良かったです。では途中で南にいるレオナを拾い西に向かいましょう。詳しい事は中佐を交えた上でお願いします」


 「分かった」



 ダレンは少尉を呼びアメリアにわびを入れさせると、東の壁に矢を射る様に命じた。ダレンは少しだけ少尉に説明を加えると、少尉は兵に命じ果敢に矢を射させる。それを見たアメリアは満足げに頷く。再び5人の小悪魔達が集いオークス中佐とダレン少佐による会議が執り行われた。

 

 その会議でダレンは5人の女性達から、その一挙手一投足を観察される。そこでダレンはアギトから授かった作戦内容を①から⑤まで話した。


 「反抗的だった少佐が、再び私の命に従ってくれるとはな」


 「申し訳ありません中佐。会ってみるとリリーナを名乗る女性は確かに胡散臭い人物でした。普通の村娘なら疑いもしませんが、流石に姫様となるとあの様子では嘘ではないかと思われます」


 「そうか。あと他にはないか?」


 「はい、これから話す事が最大のポイントです。最後私はリリーナを確保し東の丘まで移動し、そのままルード宮殿まで退却します。しかし、そこで私は中佐を待ちリリーナを引き渡します。この最後のルード宮殿に一気に撤退する部分は、この作戦の要なので絶対に口外しない様に言われました」


 「そういう作戦か、分かった少佐。キミは最初こそ反抗的だったが、最後に最大の功労者になったな!」


 「いえ、本番はこれからです中佐」


 「そうだったな。ではアギトの作戦を逆手にとり、3日の夜までは敵の作戦に乗る。しかし、少佐がリリーナを確保し東の丘まで移動したら、そこからは我々が主導権を握る。敵を殲滅した後、私の手でフレイザー将軍に彼女を引き渡す」


 「引き渡すだけなら私が将軍にリリーナを引き渡しますが?」


 「いや、この件に関しては私から将軍に直に引き渡す必要がある。なんせ姫様を語る相手だからな」


 「分かりました」


 これで解散しそれぞれ持ち場に帰る。だが小悪魔5人衆は、中佐や少佐と離れ再び女性だけで集まった。リーダー格のレオナが口を開く。


 「どう思う皆、少佐のあの変わり様?」


 アメリアが答える。


 「正直に言うと疑わしいわね」


 シーラ


 「私も怪しいと思う」


 レナーナ


 「同感ね」


 ハンナ


 「私も同じ。二重スパイの可能性があるわ」


 レオナ


 「私も皆と同じだ。なぜ少佐はリリーナを怪しいと思ったのか、その動機があやふやだ。クレアにしてもアギトにしても同じ。ハンナの言う通りリリーナ側についたと思っていい」


 アメリア


 「わざわざ戻って来たのは、最後の最後で裏切るつもり?」


 レオナ


 「最初から裏切り者と分かっていれば対処もしやすいが、途中で裏切られると対応に困る。その場合、敵に逆転される可能性がある」


 ハンナ


 「では少佐の言った事は半分本当で、半分嘘だと?」


 レオナ


 「どうだろう? 嘘が混じっているのか、何か隠しているのかは分からない。しかし、ここで少佐を刺激するのは得策じゃない」


 シーラ


 「なら少佐に色仕掛けはどう?」


 レナーナ


 「いや、このタイミングで仕掛けるのは不味いんじゃないか?」


 手をバタつかせるシーラ。


 「じゃあ、どうするのよ! この状況が一番不味いわよ!」


 レオナ


 「確証が欲しいけど、今の状況じゃ難しいわね。アメリア!」

  

 「何、ハンナ?」


 「貴女は少佐に張り付いて、常に監視しなさい! たとえ小さな事でも不自然と思ったら直ぐに知らせる事!」


 「分かったわ!」


 「あとアニヤ様が明日、草(裏の仕事をする男)を20人連れて来る」


 シーラ


 「アギトに殺られた分の補充ね」


 レナーナ


 「これで仕事もやりやすくなるわ」


 レオナ


 「ではこれで解散。各自持ち場に戻り任務遂行!」


 「「「「了解!!!!」」」」


 小悪魔達は自分の持ち場へと散って行った。






     ~アギト~


 俺はダレンと別れた後、そのまま北へと向かい弓矢隊を切り刻んでいく。北から反時計周りに移動し弓矢隊を出来るだけ削りたかった。ただし、ダレンがいる東には攻撃するつもりはない。

 それにしても今回は敵の数が多く、流石に予定通りにはいかない。弓矢隊が狙われていると分かると歩兵を前面に押し出し、槍衾で集団戦を仕掛けてくる。たった1人にここまでするとは、前回のカーシーの時に暴れ過ぎたか? かなり研究されているな。俺は前回の轍を踏まない様に、疲れ過ぎる前に一度村に戻る。


 リリー、ジーナ、ミア、バディが俺の帰還を喜んだ。


 「兄様お疲れさまです、あんまり無理はしないでくださいね」


 「あぁ、分かってる。少しだが弓矢隊を削れたと思う。村の状況はどうだ?」


 ジーナが答える。


 「作戦通り東からの矢の攻撃はあるけど、壁際でだいたい落ちてるわ。村の中までは届いてないから安心して」


 「そうか、今の処は順調か」


 バディが俺に濡れたタオルを差し出す。


 「アギトは大丈夫なのか?」


 「心配ない。多少疲れたが、怪我もしてないしな」


 「あれだけ敵に囲まれているのに、よく無傷で! 大した奴だ」


 その時クレアが何かを、持って現れた。


 「さっきユアンから矢文が届いたわ」


 「なんて書いてます?」


 「ユアンとノエルはレオナ達を追って行くと、小さな家にたどり着いたみたい。そこで彼女達は態勢を整え、再びこの村に戻って来たみたいね。ノエルはこの事態を知らせる為に、ルード宮殿に向かったわ。ユアンはそのまま南の兵に紛れて、この矢文を射ってきたみたいね」


 「と言う事はレオナのいる南、つまり橋の方角にいるのか。何とか接触したいな」


 「そうね、でも会ってどうするの?」


 「ユアンが村の中に戻ると、最後の作戦の時に色々と戦術の幅が増える」


 「どういう事?」


 「ユアンを再び敵兵に紛れこませ、嘘の情報を流させる。成功すれば敵を混乱させる事が出来、俺達に有利な展開になる。そして、人が多ければ多いほど、その嘘を打ち消す事は難しく、場合によっては敵が勝手に裏崩れする可能性がある。ユアンはそんな裏方をさせるには打って付けだろう?」


 「よくユアンの特性を見抜いてるわね! じゃあ、どんな嘘の情報を流すの?」


 「フレイザー将軍が到着した!」


 一同驚く。


 「俺は今回の命令書はニセモノだと思ってる。しかし、その命令書を出したとされるフレイザー将軍がこの場に現れれば全てひっくり返ると思うんだ。将軍自ら出て来たとなれば敵兵の指揮系統も乱れ、隙が生まれる。そうなれば作戦の成功率が上がる。実際に将軍が現れるのは何日も先だろうが、戦術としてはかなり使える」


 「アギト君は本当にスゴイわね! それを何で女性の……」


 クレアさんのこのグチはお約束になってきたな。ここでミアがモジモジしながら質問してきた。


 「アギト悪いけど、ウラクズレを教えてくれないか?」


 「ふぅ、前線よりも先に後方が崩れる事だ」


 「あ、ありがとう」


 アギトは少し休憩すると、再び敵弓矢隊を削るため出撃した。そして、両陣営は夜を迎える。


 さて、夜襲をする時間だな。出来ればユアンと接触したいな。

 俺は心の中で1人つぶやく。南の壁には敵の弓矢隊が準備をしており、俺が現れると、昼間以上に矢を射かけてきた。あまりの圧力に一度村に戻る。

 

 ミアが声をかけてきた。


 「だ、大丈夫かアギト? 無茶はしないで…」


 「敵さんは準備をしてたみたいだな。これも予定通りだ、心配するなミア」


 「けど……」


 「お前、いつからそんな可愛い性格になった? 前はもっと生意気な……」


 「う、うるさいな!」


 顔を赤らめるミア。分かりやすい性格だな。さて、どう敵陣に斬り込むか? あの陣形では正面からは無理だな。東と南の兵の境目から侵入するか。ダレンさんからは形だけ斬りかかって来るはず。


 「よし!」


 アギトは気合いを入れると、壁の上に立ちそのまま跳躍した。そして、東と南の境目に突入する。僅かに南の兵に動揺がはしる。斬り込んで行くとレオナの姿を捉えた。


 「見つけたぞ、レオナ!」


 レオナは俺を見ながら微笑む。


 「やはり来たわねアギトさん、待ってたのよ♡」


 「それは光栄だな。なら、これから俺と付き合ってくれるか?」


 「えぇ、いいわよ! ここまで来れたらね!」


 その時、彼女の周辺の兵が俺めがけて網を投げアギトの動きを封じる。


 「どうアギトさん? 流石の貴方も身動き出来ないわね。バディを捕獲した時に使った手を参考にさせてもらったわ、アハハハハ!」


 レオナは勝ち誇った様に笑いながら、アギトに近づいて来た。


 「ほう、これで俺の動きを封じたつもりか?」


 「何? 負け惜しみ? 見っとも無いわよ、ア・ギ・トさん!」


 「そうかい、ならその目で確かめるんだな」


 アギトはそう言うと網をつま先で踏み、国切丸を網の目に通し徐々に切り上げていく。

 驚くレオナ。


 「バ、バカな! なぜ網を切る事が出来る?」


 「バカはお前だレオナ! バディのレイピアと俺の国切丸を同じにしてもらっては困る。この国切丸の切れ味は抜群だ! だから網をピンと張った状態なら切る事が出来るんだ。まぁ、たるんだ状態なら国切丸でも切れないがな」


しかし、レオナの微笑みは消えなかった。何だあの余裕は?


 「アギトさん実はね、プレゼントはそれだけじゃないのよ!」


 レオナはそう言うと小さいナイフを何本か投げつける。アギトはまだ網から完全に抜けてないので、どうしても動きが鈍い。そのうちの1本が腹部をほんの少しかすめた。


 「ではアギトさん、お休みなさい」


 そう言うとレオナは馬に乗り俺から距離をとる。アギトは網から抜けると彼女を追いかける。しかし、徐々に足がもつれ、吐き気を催し、意識が薄れていく。


 「ま、まさか毒を?」


 アギトが弱り出したのを確認すると、戻って来るレオナ。


 「かすったとはいえ、毒を受けた身体でよく動き回れるわね。即効性の毒だから普通はすぐ動けなくなるのに。まあ、いいわ、貴方との最後の思い出が、まさか追いかけっこになるなんて残念ね。じゃあ、これで本当のお別れね」


 レオナは地面に横たわるアギトの首に、レイピアの先を押し当てる。


 「さようなら、ア・ギ・トさん♡」


 その時、馬に乗った敵兵が俺に近づいて来た。その男は馬上からナイフをレオナに投げつける。それをレイピアで弾くレオナ。


 「誰!?」


 声を張り上げ、怒りを露わにするレオナ。男はレオナの周りを馬で回り牽制する。男が俺に話しかける。


 「今助けます、アニさん!」


 声の主はユアンだった。


 「お前は確かユアンとか言う雑魚だったわね」


 「その雑魚にお前はやられるんだよ!」


 ユアンは煙玉をレオナに投げつけると、彼女は涙を流しながらむせかえる。その間にアギトを馬に乗せ離脱する。


 「ゴッホ、ゴッホ、ゴッホ……お、おのれユアンめ!!」


 馬の後ろに乗るアギト。

 このままじゃ、不味いな。毒の流れを遅らせないと。


 アギトは腹部のある部分を押す。

 これで少しはましになるか……。


 気を失いかけるアギト。


 心配するユアン。


 「アニさん、もう少しの辛抱です。直ぐに村に戻れますよ!」


 ユアンは敵兵の少ない東寄りを駆け抜け、そこから南の橋まで一挙に移動する。壁の上から見ていたバディが、橋を下ろすように村人に指示を出す。ユアンが橋を渡ると、再び橋を上げる。アギトを馬に乗せたまま寄合所まで連れて行くユアン。到着するとそのまま、地べたに転げ落ちた。そんなアギトの所にリリーナ、ジーナ、ミア、バディ、クレアが心配して駆け付けて来た。


 「兄様、大丈夫ですか?」


 クレアが突っ込む。


 「リリーちゃん、これはどう見ても大丈夫じゃないわよ」


 「そ、そうですね」


 「すまない、み、皆、心配かけて。ユアンを探しに行って逆に助けられた」


 ユアンが反論する。


 「そんな事ないです。いいタイミングで村に帰って来れました。それより、今朝ノエルはルード宮殿に今回の事を報告しに行ってます。至急、救援隊が来ると思います」


 「そ、そうか、分かった。ありがとうユアン」


 「いえ、それよりアニさんの怪我を治療しないと!」


 ユアンは同じ歳だが、何故かアギトの事をアニさんと呼ぶ。


 「ジーナさん、解毒魔法はこの世界にあるのか?」


 「えぇ、あるわ。もしかしてアギト君!」


 「あぁ、レオナにやられた」


 「不味いわね、あれは上級魔法だからソフィアなら出来ると思うけど、私達では無理よ」


 「そ、そうか」


 ミアが泣きそうな顔でアギトの顔を見る。


 「ア、アギト……死んじゃやだ!」


 リリーナ、ジーナ、バディも泣きそうな顔をしている。

 アギトはここである事を試す。


 「俺の服をぬ、脱がせてくれ」


 ジーナが返事をする。


 「分かったわ、とりあえず患部をみましょう」


 ジーナとミアがアギトの服を脱がすと、左脇腹がかなり紫色に変色していた。

 驚くバディ。


 「こ、これは酷い。一体何の毒だ!?」


 ジーナが答える。


 「そんなの、分からないわ!」


 アギトは国切丸を抜き、その刃を患部に当てた。


 「毒ごと俺の血を吸え、国切丸!」



 国切丸は妖しい光を放ちながら、血を吸い取っていく。


 アギト。

 予想通り、この刀は人の血を吸う。しかし、これでは一体どれだけ血を吸うのか分からない。出来れば2リットルまでに抑えないといけない。


 俺の体重は65キロだから血液量は約5キロ。その3分の1から2分の1の血液を失うと失血死してしまう。つまり俺の場合は約2リットルになる。あと一気に血が流失すると、今度は血圧が下がってしまいショック死してしまう。


 早く毒を抜かないといけないが、それを一気にすると不味い。そんな絶妙なコントロールが出来るのか? だがそれをやらないと俺はこのまま死んでしまう。



 リリーナ達は国切丸がアギトの血を吸う光景を、驚きながら見ていた。


 「兄様、こ、これは?」


 「リリー黙ってくれ! 今は国切丸で毒を吸わせる事に集中したい」


 「わ、分かりました兄様」


何とか意識を保ちながら、国切丸をコントロールする。初めての割には良くやっている。時々、意識を失うがリリー達が声をかけ俺を正気に戻してくれる。それから3分いや5分だろうか? 俺はこの難局を何とか切り抜ける。リリーとジーナが心配して声をかけたきた。


 「兄様! 大丈夫ですか?」


 「アギト君! 大丈夫?」


 「あぁ」



 その時、アギトの両側にいたリリーナとジーナの胸の刻印が光り出す。リリーナの胸元の刻印は紅く、ジーナの胸の刻印は蒼く光り出す。すると2人はアギトに覆いかぶさる様にして共に意識を失った。そして、アギトも意識を失なってしまった。





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