プロローグ
ファンタジー寄りのコメディを目指します。乱筆遅筆ですので大目に見て下されば幸い。本格的な事の分からない若輩者どころか初心者ですのでアリでも見るような目でどうぞ。
「ここ、どこ…?」
鈴のように凛として、それでいて可愛らしい声がこの部屋に甘く響く。
声を発した主の隣に私はいる。正確には私と私の愛犬の隣に。
途方に暮れている彼女には申し訳ないが、私に答える術はない。ここが何処で、何のために私達がいるのか全く分かっていないから。正直私も聞きたいくらいだ。
スッ、と布が擦れる音がした。気が付かなかったがこの石畳と石の壁で出来た、石の牢獄の様な部屋に何人か初めから居たようだ。
警戒しながら辺り一帯を見渡した後、音の方へ向かって視線を投げる。愛犬を抱き締める力を少し強めてしまったのは許して欲しい。
そこには、大きな男らしき人が立っていた。ローブを目深に被り、体の線はうまく分からないが肩幅からして男だろうと目星をつけた。
幾ら此方がへたり込んでいようと、この男が異常に大きいのは分かる。2mどころか2m30cmは超えていそうだ。羨ましい。
そう考えながら男を見ると、漸く口を開いた。
「なぜ、二人もいる?」
その言葉を皮切りに、陰口のような喧騒のような言葉の渦がこの部屋を埋め尽くした。
11月25日・改行、余白をとりました。