表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

硝子に恋した。

作者: 里緒

真っ直ぐな恋愛物は書けません。



私は恋をしました。


スタイルが良くて、顔も良くて、オシャレな彼に。


恥ずかしながら一目惚れでした。


彼の隣には、いつも彼と同じくスタイルも顔もセンスも良い女性がいます。


ガラスケースの中の、私の手の届かぬ世界で、彼らはいつも一緒に寄り添います。



私は彼女になれません。


少しでも彼に近づきたいと、私は美しくなる努力をしました。

なんでもしました。


美しくなるまでは彼に会うのも我慢しました。



何年か時が経ち、私は彼の元へ向かいました。


そこに彼はいませんでした。

彼の隣の彼のような彼女は、表情一つ変えずに新しい男と腕を組んでいます。



私は失恋しました。


「ねぇ、ちょっとちょっと!」



途方に暮れた私は、知らない男に着いて行きました。

私は、服を着て本に載るというだけの、

モデルというつまらないことをしてお金を貰うようになりました。


沢山の男の人が私に良くしてくれたけど、

彼は現れませんでした。

自分にも他人にも興味はありませんでした。



ああ、無機質な王子様。

あの光りのない瞳!どこまでも無な佇まい!


私はまだ、恋が出来ない。




ある日、また彼がいるのではないかとガラスケースを覗きました。



息を呑む音が聞こえました。



なんて美しいのでしょう!


私は、ガラスに写る美しい美しい女性を見つめました。

すると向こうもこちらを見てきたので、私は走って逃げました。



私はあの、無機質な王子様を一瞬で忘れることができました。


私はあの女性に恋をしました。


私は一生、あの人以外を愛することは無いでしょう。






ショーウインドウの恋。




読んで下さってありがとうございました。


彼はマネキン、女性は美しくなった自分です。


現代版ナルシストですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 若い女性の心の動きがよく表現されていると思います。 [気になる点] ただ、これを小説ととるか、詩ととるか……。 [一言] 読書灯を点した窓際で、朗読すると雰囲気が一層増すと思います。あまり…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ