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元暗殺者、血の匂いがする恋を始めます。  作者: 璃衣奈
第一章 ゆーびきーりげんまん
6/26

元暗殺者、昼食をとる

少し修正しました!

「ここが食堂よ虚!」

「わぁーっ!」


 辿り着いた食堂は広く煌びやかで、まるで別世界のようだった。

 目を輝かせながら陽毬達について行き、同じテーブルに座ると、周囲が妙にざわついていることに気がついた。


「キャーッ! Sクラスの方達よ!」

「日乃守様、今日も素敵っ」

「千隼くんかわいー!」

「白羽様、相変わらずお美しいっ……!」

「きゃあっ、朔翔くんと目が合っちゃったあ!」

「南条さん、今日もマジ天使……!」

「ほんっと可愛いよな! ……というか、一緒にいる女子誰だ?」

「わっかんねえ……けど、めっちゃ美少女じゃね?」

「それな! 南条さんと同じくらい……いや、それ以上かもしんねえ!」

「ああ、なんと美しい……あの清らかさ、この手で穢してみたいっ」


 ……なんか変な声が聞こえたが、気のせいだろう。うん。


「虚ちゃーん。なに食べる?」

「んー……じゃあ、カレーがいいです!」

「了解!朔翔くん、お願いねっ」

「うん?  わかった?」

「……一人じゃ無理だろう。俺も手伝うよ」


 注文を押し付けられた事に気が付かず、首を傾げながらも引き受ける朔翔。と、それを手伝う燐。朔翔キミちょっと危機感持った方がいいと思うよ……。

 そっと保護者(えにし)を見ると、額に手を当てて深く深くため息をついていた。お疲れ様です……。


「虚、飲み物何がいい?」

「え、ああ……そうですね。何がありますか?」

「紅茶、コーヒー、牛乳、コーラとか……あと、いちごミルクとかもあるよ」

「いちごミルク……」

(飲みたい……!)


 甘党の私にはたまらない。


「いちごミルクがいいの?」


 燐がにやりとからかうように笑い、私はちょっと赤面した。


「……はい」

「え……虚ちゃん、いちごミルク好きなの?」


 なぜか目を丸くして聞いてくる千隼。


「わっ、悪いですかっ……」

「あ、いや……ちょっと驚いて」

(……なんで?)


 ちょっと怪訝に思ったそのとき、背後から「ねえ!」と声がかかった。振り返ると、派手な化粧の女子生徒がいた。


「ねえ、アンタ! なんでS席にいるのよ!?」

「え……? えすせき?」

(なにそれ)


 何を言っているのだろう彼女は。私それ知らない。

 怪訝に思っている間にも、女子生徒は甲高くて耳障りな声でヒステリックに喚き続ける。


「そこはSクラス専用の席よ! 私だって座りたいのに!代わりなさいよ!アンタ、誰が願っても座れないような席に何を平然と__」

「はい、ストップです」


 パッと間に誰かが入り込んだ。縁だ。


「虚、こっちよ」

「? はい」


 陽毬に呼ばれて駆け寄る。


「陽毬、S席ってなんですか?」

「それを説明しようと思っていたのよ。あのね、」


 曰く、S席とは、Sクラス専用の席なのだと。

 入学当初、食堂内でSクラスの生徒と同じテーブルに座りたい生徒が殺到。

 落ち着いて食べられないということで、こうして専用席ができたのだという……。


(どんだけ人気なんだよSクラス……)


 思わず心の中で呟いた。ドン引きである。

 もはや怖い。怖すぎる。魅了の魔法でも使ってるの?

 というか……。


「あの、私もSクラスですよ?」


 先程の女子生徒に向けて言う。


「ハァ? 何言ってんの?」

「彼女は、今日からSクラスの一員なんです。編入生なんですよ」

「…………は」


 唖然としている女子生徒。そんなに驚くことかな?


「そーそー! だから絡まないでね、僕らのお姫様なんだからっ」

「な、ぁ……」


 何も言えない彼女。グッと唇を噛み締めると、慌てた様子で退いていった。


「たっだいまー! って、ん?なんかあった?」

「いいえ、何もありませんよ」

 さらりと笑顔で返す縁。さすがだな……。

「……まあいい。おい虚」

「わあっ、ありがとうございます!」


 燐からいちごミルクをもらって、早速一口。

 途端にほのかないちごとミルクの香りが広がる。とろりと甘く、喉を滑る。

「んー! とっても美味しいです……っ!」

(さいっこう……!)


頬が緩み、自然と笑みがこぼれた。今までで一番、心から美味しいと感じた瞬間だった。


「久しぶりに飲みました……!」

「好きなのに?」

「時間がなかったんです……というか、ここ一週間まともな食事をしてなかったので……」

「……え? どういうこと?」

「詳しく話してもらいましょうか」


 縁の笑顔が怖い。ひぇ……。


「え、えっと……最近ちょっと忙しくて……で、でももう大丈夫です! ちゃんとご飯食べます!」

「……ほんとに?」


 ジト目で疑うようにこちらを見る朔翔。ほんとだってば!!


「ほんとです!」


 重ねて主張すると、ようやく信じてくれたようで、「……じゃあいいけど」と言いつつ視線を外した。

 …………これで実は一週間じゃなくて二週間で、ずっと水と栄養ゼリーだけで済ませてたって言ったらどうなるんだろ。

 考えたくもない想像を打ち消すようにカレーを頬張って、今更ながら、こんなに心配してくれる友人たちがいることに、小さく笑みが溢れた。

こんにちは、三時間お昼寝して全く眠くない健康優良児、璃衣奈ちゃんです!

今回はお願いがありましてやってきました。

実は、是非ともご感想をいただきたく思っているのです。ええ。

「仕方ないなあ、やってあげるよ☆」という心優しい方は、是非ともご感想をお願いします!お待ちしてます!

では、またどこかで!

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