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一日目(2)五人の変人
やれやれ、この天才幼馴染ちゃんには勝てそうもないな、と私はそう思いながら溜息を吐く。
私が部屋に戻る頃には、時計はとっくに八時を回っていた。食を楽しみ、会話に花を咲かせれば時間も早く進むというもの。
私は風呂に入る気が起きず、ベッドに倒れ込み、目を瞑る。寝ようとする本能に身を委ねる。
「疲れた……。風呂は……明日で良いか」
それが、眠りにつく前の最後の言葉。外は吹雪いていて、こちらまで音が届くのを考えるにかなり強いことが解る。
だが、そんなことはどうでも良い。明日も良い日になると良いけれど……。そんなことを思いつつ、夢の世界へと深くもぐりこむ(夢なんて見ないけれど)。