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「23番目のカミサン伝説とミカエルの仮面」


 「それでは、私みはるから発表します。

題材は23番目のカミサン伝説です」と

 みはるが言ったとたん周囲がざわつく。

 「本当かよ」

 ケンタが疑いの目で二人を見ると、

 二人はにこっと笑って、

 「あら、ケンタくんもそうだったの、残念ね」と

 みはるが笑う。

 ケンタは

 「まあ、話してからそういう口を聞けよ」と

 不機嫌そうに言うと、

 「ケンタくん、そんなにむくれないで聞いてあげましょう」と

 もとめが優しく言うと、黙って頷く。

「23番目のカミサン伝説は「ミカエルの仮面編」と名付けます。

そこにかけてある仮面こそ、実はミカエルの仮面です」と

 みはるは教室の左側にかけてある不気味な仮面を指さして言う。

 「ミカエルって大天使の?」とキミカが訊くと

 「そうミカエルという名前自身はそのとおりです。

しかし、その仮面は大天使ミカエルの絵等を模倣して作られた仮面ではありません。

まったく無関係です」

 「よくわからない話しですねえ」と

 またキミカが言うと

 「とにかく、話しを聞きましょう。

それから、質問に移りましょう」と

 もとめが言うと生徒達は頷く。

 「今までのカミサン伝説には、

像が出てくるものと像が出てこないものの二通りしかありませんでした。

仮面が出てきたのはこの話しが初めてです。

しかも、それがカミサンに関する仮面ではなく、

あの大天使ミカエルと同じ名前の「ミカエルの仮面」というのが、

これまでのカミサン伝説とは大きく異なるのです。

この仮面が「カミサンの仮面」であれば、

カミサンの像を題材としたカミサン伝説の亜種と考えられますが、

「ミカエルの仮面」であり、

また、その内容は「カミサン」に関するものでありますから、

23番目の「カミサン伝説」と評価されていいものと思われます。

ただ、このカミサン伝説は22あるカミサン伝説の中でも

極めて残酷なものかと思います。

話しの方はひさめさんにお願いします。

では、ひさめさんよろしく」

 そのとき、

 「たしか、ひょうきんな仮面編っていうのがなかったっけ」と

 たまおが鼻をほじりながら呟くと、

 「いいから黙ってろ」とケンタが何故か、たまおを制した。


 「フォフォフォ。さあ、殺せ。フォフォフォ、わーやっぱり駄目です。

みはるさんやってください」

 いきなり、ひさめが自ら話しをするのはあきらめる。

 「やだー、ひさめ。何回も練習してたのに」

 「なんだよ、フォフォフォって」

 ふうたが大笑いする。

 「失格、失格」

 今度はケンタが言う。

 「それないでしょう。まだ時間残っているんだから、

こうなったら、演出なしでたんたんと話すわよ。先生いいでしょう」と

 みはるが言うと、もとめは頷く。

 「ごめんなさい。みはる」

 ひさめが泣きそうな顔で言う。

 「いいわよ。ひさめに任せた私が悪いのよ」

 「怒らないでよ。みはる。ごめんなさい」

 「だから、怒ってないって言ったでしょう」

 「怒ってるじゃない」

 「喧嘩するなよ」

 たまおが股間を掻きながら笑って言う。

 「もう、ひさめは黙っていて、

これから私が話すからそれに人が真面目にやろうとしてるのに笑わないでよ」と

 怒るみはるに、泣き顔のひさめが好対照な姿が面白いので、

下を向いて笑いをこらえている生徒もいた。


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