「キモ男三人衆のカミサン伝説8」
ケンタはふうたと入れ替わり、壇上に立つと、
「えー、行くぞ。ニタロウと老人が校門の前で待っていると、
ナナの母親が変な帽子を被ってきました。老人は驚きました。
まさか、この母親にそんな根性があるとはと。
母親はニタロウと老人の前に立ち、帽子をとると、
つるつるの頭をさらして、
通りすがりの生徒がいる前でとおりすがりの生徒が
頭に注目している間に、
ニタロウと老人二人に向かって小声で
「私と付き合ってください」と言って、
急に大げさにその場で土下座したのでした。
すると、生徒の一人が
「ナナのせいで選挙がやばいからって、
そこまでするかね」と言って、
笑いましたが、
ナナの母親は今度はとおりすがりの生徒の前で土下座しては
「ナナの件ではご迷惑おかけしました」
と謝り続けたのでした。
そして、その日の夜、
ナナの母親はわくわくして眠れませんでした。
明日には二人とも殺されていると思いこんだからでした。
そして、次の日、ネネの母親は早く起きると
ニタロウの家のそばまで行き、様子を伺っていました。
しかし、何の変化もありません。
「ずいぶん気づくの遅いのね。これだから貧乏人はイヤだ」
母親はぶつぶつ呟いては、
そっとニタロウの家を見ていました。
そして、しばらくすると
ニタロウの兄らしい人物が犬をつれて散歩にでかけてしまいました。
「もう、あんな小さな家なのに気づかないなんて」と
母親はまた愚痴を言いました。
しばらくして、ニタロウの兄らしい人物が犬をつれて
戻ってきました。
それからは、いっこうに動きがありません。
時計を見ると、もう8時近くで登校の時間です。
母親は驚きました。
なんと元気そうにニタロウが家から出てきたからです。
母親はもう一度考えました。
ネネの場合もたしか殺されたのは一週間後だったと。
母親はせっかっちだったのです。
ニタロウの死は早く確認したかったのですが、
その朝は無理だと思い、母親は家に戻ったのです。
しかし、母親はどうしても気になったので、
それから毎日ニタロウの家の側まで行きましたが、
1週間以上過ぎてもニタロウの様子に変化はありません。
他方、町長選挙の公示も間近に迫ったきたので、
ネネの母親もいつまでもこんなことをしていられなくなりました。
そこで、ネネの母親は公示前の活動も
なるべくニタロウの家を通るようにして、
選挙が終わるまではそうやってニタロウの死の情報を得ることにしたのですが、
いっこうにニタロウが死んだという話しは聞こえてきませんでした」
とケンタはここで一息つくと、
「ケンタって、話し方と普段の態度とで、ギャップがあるな」
と
みはるが小声でつぶやいた。




