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「作戦会議」

賢明が足早に部屋に戻ると永久も追いかける。

 「どっちの部屋でうち合わせする」と 永久が後ろから声をかけると、賢明は考え

 「オタクの部屋の方が隣がひとつ空いてるから、そっちにしよう」と答えると 二人は永久の部屋に行く。

 永久の部屋に入ると

 「盗み聞きされないように、小声でやろうぜ」と

 永久が言うと、

 「当たり前だ。まさかこの俺たちが一緒のグループになるとはなあ。」と

 賢明は笑う。

 二人はクラスこそ違うが、中学時代の塾仲間で親友といってもいい間柄だったのだ。

 「キモ男たちをくっつけたように、もとめ先生は予めその辺考えているのかもな。話しを聞く限り、見た目と違って理屈ぽいしなあ」と

 永久は笑った後、

 「で、例の話しもう明日発表しちゃうのか」

 「いや、それをオタクと相談したいと思っていたんだ。合宿は長いしコンクールまでも日があるからな。でも、うちの高校の代表に選ばれないことにはしょうがないし、ご褒美もかかっているんで迷っているんだよ」

 「俺は、もとめ先生のご褒美なんてどうでもいいよ。もとめ先生のお給料じゃたかがしれてるからな。それよりもコンクールでの優勝さ。マスコミに出て有名になることはもちろん、大学の推薦でも有利にもなるからな。俺の勘だとコンクールにはこの中のせいぜい半分くらいしか選ばれないだろう。予め、先生は言わないだけで。選考を見ても、マスコミ受けを狙っているのは見え見えだよ。はっきり言って、女子陣に美形を揃えているから、男子陣はキモいのが有利に思えるんだ。下手すると俺たちはアイデアだけ取られるという可能性もある」と

 永久は自分の考えを言う。

 「13代目キモ男3人衆と美少女3人で新カミサン伝説発表か。うちの校長ならやりそうだな」と

 賢明も頷く。



 「おーい、どうするんだよ。賢明の奴が凄いの見つけたんだぞ。俺たちには何もないぞ。」

 ふうたがケンタの部屋に入るなり、大声をだす。

 「そうだよ。それにご褒美をくれなんてケンタ、オタクも何か凄い話し知ってるのか」と

 たまおが今度は焦ったように言う。

 「オタクらはハナから期待してないよ。いいか、明日は全部俺に任せるか。褒美は俺のものだけど、もちろん、食べ物なら分けてやるけど。」

 ケンタが何か自信ありげに言う。

 「ああ」

 たまおとふうたがほぼ同時に言う。

 「よし、そうしたら明日は最初に発表する。ふうたはじゃんけんが強いというより、インチキで勝てるから俺がじゃんけんで順番を決めるって言ったら、大声で賛成しろよ。そして、ふうた絶対勝てよ」と

 ケンタが言うと

 「バレてたのか。しょうがない。ジャンケンなら負けないから任せてくれ、たまおは絶対にじゃんけんに持ち込むように死んでもがんばれよ」

 「おお。じゃんけんが公平だってことでな」

 「レディファーストとかそういうのに騙されるなよ」

 「わかっている。ここで勝てばコンクールに出られる可能性が大だからな」と 一番役にたたなさそうなたまおが鼻をほじりながら、偉そうに言う。

 「でさ、ケンタ。最初を取るということは23番目の伝説を知ってるということか」と

 ふうたが訊くと

 「まあ、明日の楽しみということに、想像に任せるよ」

 「やっぱり、それしかないよな。先に賢明が発表したらそっちの勝ちだもんな」と

 ふうたはもう勝った気分でいた。



 「もう決まったな」

 みはるがひさめの部屋でベッドに寝ころびながら、そう言う。

 「どういうことですの」ひさめが訊くと、

 「グループ分けだよ。こっちは準が二人、あっちはミス二人と女子1番の秀才だよ。ルックスでも頭でも勝ち目はあるわけないだろ」

 「そんなもんですか。」

 「いい。うちの校長はオンシラのPRのためにコンクールに生徒を出させる気なんだ。多分、10人のうち、コンクールに選ばれるのは5.6人ってとこだ。こっちにサヤでもいれば、アイデアはサヤに任せて、男装した僕と和服を着たひさめで勝負すれば、面白いかもしれないけど、サヤがいなければ話しになんないよ」

 「ああ、そういうことですか。でも、アイデアさえあれば、私がお着物を着ればいいんでしょうか」

 「ああ、でも無理だろう?」

 「あのー私賢明さんが明日話そうとしているカミサン伝説知ってますけど」

 「えー本当か」と

 みはるはベッドから起き上がると、ひさめに抱きついた。

 「私、悪いですけどそういう趣味ないんですけど」

 「悪い。悪い。僕も。最近、ウケ狙いでついクセが。それより、どうして知ってるんだ。」

 「兄です。」

 「おー、格好いいのか」

 「それが、どっちかと言うと、というより7代目なんです」

 「7代目?ってキモいのか」

 「はい。私は慣れてますし、優しいですけど。」

 「13代目と比べてどうなんだ?」

 「まだ、7代目の時代ですから、かなりキモいです。何でも今みたいにコミカル色が強くなり、オタク色が消えたのは9代目くらいらしいですから。兄に言わせると邪道だと言うのですが」

 「じゃあ、いいよ、兄貴は。で、その兄貴がどうしたんだ?」

 「はい、私は末っ子で年がずいぶん離れているせいもあって、結構可愛がってもらっているんで今回の話しをしたら教えてくれたんです。」

 「ガセじゃないだろうな」

 「そんな。兄は私からは想像もできないとは思うんですけど、東大に現役で入ったんです。」 

 「えー、もとめ先生と同じか。」

 「今は医学部ですからもとめ先生より上だと思いますけど」

 「なんで、こう同じ兄妹でこうも違うんだ」

 「すいません。兄が父似で私は母似でして、でも、父も東大には落ちたようです」

 「そうか。じゃあ、明日はとにかく、賢明より先に発表することだなあ。」

 「何故ですか」

 「本当に東大生の妹かよ。後から発表したって、自分で発見したことにならないだろう」

 「あー、そうですね」

 「本当に大丈夫か。とにかく聞かせろ。わかりやすくな。あと明日はじゃんけんで先行を決めるからな」

 「でも、負けたら」

 「それが負けないんだよ」

 みはるはそう言って笑うと、早速ひさめから23番目のカミサン伝説を聞き出すことにした。




 「話しの方はよろしくね」

 「よろしくお願いします」

 ネネとキミカはサヤの部屋に入るなり頼みこむ。

 サヤが「お二人は両側で笑顔をふりまいてね。話しは私が引き受けるわ」と答えると

 3人は嬉しそうに手を合わせる。

 「それで、サヤさんはどういう作戦描いてるの」と

 キミカが言うと、

 「サヤでいいわよ。いい、私は真カミサン伝説で真っ向から勝負よ。まあ、あのお二人じゃ無理でしょうど、賢明くんの23番目に対抗するにはそれしかないわよ」と

 サヤが自信満々に答える。

 「噂だと、今度のコンクールに出られるのは5,6人らしいのよ。女子は多分その半分、実は、もう一方の二人準ミスだけど、個性強いから心配していたんだあ。でもサヤがいれば安心ね。」と

 ネネが言う。

 「たしかにそうですね。女子ウケは断然みはるちゃんだし、ひさめちゃんは天然ボケのところがあるし、和服でも着たら凄く可愛いですしね」と

 キミカが言う。

 サヤはネネとキミカが自分をまったく女として相手にしていないことに不愉快に感じたが、コンクールに出るにはこの二人を利用するしかないので、にっこり笑って

 「お二人はあの二人よりはスタイルもいいし、全然綺麗よ。」と

 こころにもないことを言った後

 「話しの方は私に任せてね」と言った。




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