「想定外の指名」
「じゃあ、
ケンタくんたち後一人を選んで、
残った方が反対グループ、
いいわね、
少し考える?」
と
もとめが訊くと、
「ケンタに任せるよ」
と
ふうたが言うと、
「そうだすな」
と
たまおも頷く。
「じゃあ、決めるぞ。
いいか、もう一人はみはる」
ケンタがそう言ったとたん、
シーンとなる。
ふうたが、
そっとケンタの足を蹴るが、
ケンタは、
自分たちが勝つもんだと思いこんでいて、
また、
みはるを最後に選ぶことをすっかり忘れていたので、
「いてえな。
文句あんのかよ」
と
ふうたを睨み返した。
みはるもひさめも、
何かしゃべろうかと思ったが、
下手に言うと、
完全にみはるが辞退扱いにされてしまうかもしれないので、
何も言えない。
もとめも、
予想外のケンタの発言に動揺し、何も言えなかった。
すると、
すかさず、
「いい考えね。
ひさめ以外の残った5人が勝てば、
それで決まりだし、
ケンタくんたちが勝てば一人だけ、
ひさめと、
5人の中から一人だけ選べばいいんだから。
審査員も、みはるが抜けても
ひさめともとめ先生で充分だしね」
と
ネネが上機嫌で言う。
「そうだろう。
いいじゃないか」
と
ケンタは、
ますます自信を持ってしまう。
賢明とサヤの二人は、
みはるも欲しいが、
賢明、サヤ、ネネ、
キミカ、ひさめ、永久の6人も
悪くないと思い直していた。
たまおも、
どうせ勝たないといけないし、
永久がいても、
どうせ役に立たないから、
勝ったときに、
永久を指名すれば良いと思い、
「それでいいだすよ」
と
言ってしまった。
「じゃあ、決まりね」
と
ネネが嬉しそうに言う。
また、
自分から棄権したみはるだったが、
「何か一度棄権したのに、候補に選ばれちゃって悪いなあ」
と
内心は喜んではいたが、
口ではそう言った。
もとめ以上に最初動揺したのはひさめだったが、
自分に審査の権利があるので、
とにかくケンタたちを勝たせればいいと思い直していた。
残った5人は大喜びだった。
中でも永久はこれで自分がコンクールに出られるのは確実
と思って、
にんまりしていた。
ネネはしてやったりという顔で、
賢明とサヤもにんまりしていた。
キミカも同様だった。
もとめは天国から地獄に落とされたような気分だったが、
ひさめと同様に、
自分が審査員であるので、
キモ男3人衆にがんばってもらうしかない
と気を取り直したのだった。




