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「賢明の足跡」
「うーん、
ここには鍵のかかったドアがあるわけだ。
あれ?」
みはるは、
鍵のかかったドアの前でうずくまる。
「みんな来いよ」
「どうしただすか」
「うっすらだけど、
足跡が見えないか」
「私目あんまりよくないから」
「俺は目はビンビン見せて見ろよ」
「ケンタが言うとやらしいなあ」
「やらしいのはみはるだろう」
「いいから、ケンタ見るだすよ」
ケンタが這いつくばって見る。
「本当だ、みはる凄いぞ。
足跡がうっすら見える」
「僕の言うとおりだ」
「凄いわ」
「だすが、鍵がないだすよ」
「叩きまくれ、
そうすれば、賢明に聞こえるかもよ」
「あんたねえ」
とみはるが呆れた顔で言うと、
「それ、いいわよ。
声はダメでも振動で、
伝わるかも」
と
サヤが言う前に、
すると、
どこかから、
ケンタがフライパンを持って来て、
「ちょっとみんなどいていろ」
と言うと、
鉄のドアを叩き出す。
「手が少しいてえが、賢明のためだ」
「僕もやるだすよ」
と
たまおはペットボトルを空にしてたたきだした。
「こんなんでうまくいくのかよ」
と
みはるは、
マヌケそうに、
ドアを叩いている、
ケンタとたまおを見て、
あまり期待はしなかった。




