「隠し扉」
たまおを先頭にサヤと賢明を除いた生徒たちと
もとめは教室を出て階段を降りていく。
「ここに掛け時計があるからここは違うわね」と
もとめが言うと、
「いくつかあるんですか」と
キミカが訊く。
「昔はもっとあったけど、
今は二つ、
もう一つはキッチン」
みんながキッチンへ行くと、
サヤは変な格好で倒れていた。
「サヤちゃん」と
ひさめが抱き起こそうとすると、
「痛い」と
サヤが大きな声をあげる。
顔を見ると、泣いた後がある。
「どうしたのサヤちゃん」と
もとめが聞くと、
「偶々、賢明君がここに隠し扉のようなものを見つけたので、
懐中電灯をとってきて、
扉を開けたら暗証番号を入れるようなパネルがあって、
賢明くんが操作したら、開いたの?
でも、私が入ろうとしたときに転んでしまったら、
そのまま扉がしまって開かないの。
そのとき、私の髪が挟まったの。
この格好じゃどうにもならないし、
助けを呼んでも誰も来ないし」
「俺たち来たけど、キッチンまで探さなかったな。
それに声も聞こえなかったけどな」と
ふうたが言うと、
「あらそうだったんだ。
最初はずっと叫んでいたけど、
疲れちゃって、
ずっと、
声を出していれば良かった」
「それより、
懐中電灯を取って来いよ」と
ケンタが命令する前に
「大変だすよ。
懐中電灯が一本もないだすよ」と
たまおがわめきながら戻ってきた。




