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「もとめが消えた理由?」
「どうして、ひさめちゃん?」
永久が少し驚いたようにひさめの方を見る。
「あたしはもとめ先生が逃げたというのが信じられないの?
これはもとめ先生の作戦じゃないかと思うのよ。
すんなりメンバーを選考するための」
ひさめが突然そんなことを言いだす。
「あー、それじゃあ、わざと生徒の一部を帰らせて、
残りの生徒を選ぶということ?」
賢明がひさめに訊く。
「あたしはそうだと思う。
多分、もとめ先生自身、
さっきまでのやりとりで
選考に迷いが生じたんじゃないかしら。
校長先生との関係もあるから、
言い訳できるように、
こういう作戦を立てたんじゃないかしら」
「そういうこともありえるだすな。
ひさめちゃんは賢いだすなあ?
僕は、
そこまでもとめ先生がずる賢い
とは思わなかっただすなあ」
たまおがイヤミにも聞こえる言い方をするが、
ひさめはまったく気にしない。
「もとめ先生は賢いから、
そのくらい考えてもおかしくないわよ」
ひさめはたまおの方を見てそう言う。
「あのー、僕はそれでも帰るぞ」
みはるはひさめの方を見ないで、そう言った。




