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「カミサンのバチ?」
「カミサンのバチで
消えたとでも言うのか?」
ケンタが、
半分、
みはるをからかうように言う。
「ケンタ!
頭がいいなあ。
それだ」
みはるは、
ケンタの冗談を真に受けて言う。
「ありえないだすよ。
どうして、
もとめ先生だけにバチがあたるだすよ」
たまおはそう言ってから、
しまったと思ったが遅かった。
いきなり、
急所にみはるの蹴りを入れられたからだ。
「おー、いたー」
しかし、
たまおのマヌケな格好を誰も笑いはしなかった。
意外にも、
もとめがいなくなったということと、
カミサンのバチ、
という言葉が、
生徒達全員に大きな不安感を与えていたからだった。
しばしの沈黙の後、
「もとめ先生が逃げたにしろ、
本当に消えてしまったにしろ、
明るいうちに、
ここを出た方がいいんじゃないか?」と、
賢明がそんな提案をしたのだった。




